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場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 7/49本目

AIに「ここだけ直して」が効かない時は、手で直せる形で出させる

AIが作ったスライドや資料。9割は良い出来なのに、1か所だけ直したい。そこで「ここだけ直して」と頼むと、直してほしくない所まで変わってしまう。この記事では、僕が何度もぶつかったこの壁と、仕上げを手で直せる形で出させるやり方を書きます。

靴の上から足をかいているようだった

2025年の12月、AIが作ったスライドを人前に出すために、一部だけ直そうとしました。ところが、AIに「ここだけ直して」と言っても直りません。直したい所は変わらず、別の所が変わったりします。そのもどかしさを、僕は「足が痒いのに、靴の上から足をかいてる」と表現しました。そこで試したのが、AIが作ったスライドをGoogleスライドに変換することです。変換すれば、文字や画像を自分の手で直せます。Canvaに持っていって直す方法も使いました。これで、AIのスライドを人前に出せる品質まで仕上げられるようになりました。

半年後、同じ壁にもう一度ぶつかった

2026年の5月、今度はお客様に納める資料で、同じ壁に当たりました。ウェブページの形で作った資料をPDFにする流れでは、一字直すだけでも毎回作り直しになり、どう変わるかは出してみないと分かりません。まるでくじ引きのようでした。そこで、最終の成果物をPowerPointで出させることにしました。大きな形はAIに作らせ、文字の直しや1行の追加は、PowerPointの上で自分で直します。目の前のお客様の修正依頼にも、PowerPointですぐに対応できました。全体の位置の調整だけは、AIに座標で合わせさせました。お客様が自分でPowerPointで直せる状態で納められたのも、良い点でした。AIの限界も感じましたが、合格の水準で納められたのは良い体験でした。

分かったのは、作るのと仕上げるのは別の作業ということ

2つの経験で分かったのは、作る作業と仕上げる作業を分けるということです。

  • 作るのは、AIに丸ごと任せる
  • 仕上げは、自分で直せる形に移してから、人がやる

AIは、まっさらな状態から全体を作るのは得意です。一方で、全体を保ったまま1か所だけを変えるのは苦手です。苦手な所は、人の手に戻せばいいのです。

今日から真似できる手順

1. 最初に、仕上げの形を決める

資料を作り始める前に、最後にどの形で直すのかを決めます。スライドならPowerPointかGoogleスライド、文書ならWordかGoogleドキュメント。自分やお客様が普段使っている形にします。

2. AIに、その形で出させる

AIに資料を頼む時に、「PowerPointの形で出して」と最初に伝えます。後から形を変えようとすると、文字の位置や大きさが崩れることがあります。最初から決めておけば、崩れが少なくて済みます。

3. 大きな直しはAI、小さな直しは手で

章の入れ替えや、全体の調子を変えるような大きな直しは、AIに頼みます。誤字、数字、1行の追加のような小さな直しは、自分の手で直します。この線を決めておくと、AIに何度も頼み直して時間を失うことがなくなります。

4. 直した版を、元の版と分けて残す

自分で直した版は、AIが出した元の版とは別の名前で残します。あとでAIにもう一度大きな直しを頼む時は、自分で直した版を渡します。元の版を渡すと、手で直した所が消えてしまいます。

お客様に渡す時の形も考える

お客様に資料を渡す時は、相手が直せる形で渡すと喜ばれることがあります。PDFは崩れずに見られますが、相手は直せません。PowerPointやWordで渡せば、相手が自分で言葉を直したり、社内向けに作り変えたりできます。どちらで渡すかは、資料の使われ方で決めます。見るだけならPDF、使い回すなら直せる形です。

位置の調整は、数字で頼む

手で直していると、図や文字の位置をきれいにそろえるのが面倒な時があります。そういう時は、AIに「この図を、左から何センチ、上から何センチの位置に」と、数字で頼みます。「もう少し右に」のような言い方より、数字の方がAIは正確に動きます。文字や中身は人が直し、位置の細かい調整は数字でAIに任せる。この分担にすると楽です。

気をつけること

形を変換すると、文字の大きさや改行の位置が変わることがあります。変換した後は、全ページを一度めくって確かめてください。お客様に納める資料は、最後の版を自分で通して読んでから渡してください。また、AIの道具によっては、出せる形に制限があります。使っている道具が、どの形で出せるかを先に確かめておくと安心です。

今から始める社長へ

AIに完璧な仕上げまで求めると、何度頼んでも終わらないことがあります。作るのはAI、仕上げは手で。この線を引くだけで、資料作りの時間は大きく減ります。次に資料を頼む時は、最初に「この形で出して」と一言添えてみてください。