場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 6/49本目
社長が出演しなくていい。説明の動画はスライドとAIの声で作る
教科書でいうと → 第11章「顔を出さない解説動画」(解説動画つき)
お客様向けの説明の動画を作りたい。でも、カメラの前で話すのは苦手。撮り直しを重ねるうちに、嫌になってしまう。プロに編集を頼むと、手間も費用もかかる。この記事では、僕が2025年の12月に講座で実演した「社長が出演しなくていい、スライドとAIの声で作る説明の動画」と、社長が今日から試せる手順を書きます。
10時間分の動画に、2週間かかった
以前、SNSの運用の講座のために、動画を10時間分作ったことがあります。これに2週間かかりました。自分で話して撮ると、言い間違えて撮り直し。6回目の撮り直しのころには、本当に嫌になっていました。音声に合わせて、手でスライドを送る作業も地味に大変でした。
それが、分単位になった
2025年の12月、ある講座の2回目で、この体験を話したうえで、実演をしました。スライドをAIのManusに渡して、「女性の声で、音声付きのスライドにして」と頼む。それだけで、説明の動画ができあがります。「2週間かかったのが、今は5分、10分とか」。その場で口にした言葉です。同じ月には、お店の店主が出演しなくても、スライドをAIが読み上げる動画をManusやNotebookLMで10〜15分で作れる、という話もしました。中身が伝われば、本人の出演はいらない。動画を作る壁が、劇的に低くなりました。さらに同じ月の打合せでは、本の原稿をAIでスライドにし、Vrewという道具で原稿とAIの声を付けて、ほとんど時間をかけずに解説の動画にする流れも見せました。
分かったのは、専用の道具より汎用のAIが速いということ
この経験で分かったのは、動画のための専用の道具を覚えるより、汎用のAIに頼んだほうが速いということです。
- 撮影、編集、字幕を、それぞれ別の道具で覚える必要はない
- スライドと原稿があれば、声と動きはAIが付ける
社長がやるのは、何を伝えたいかを決めて、スライドか原稿を用意することだけです。
今日から真似できる手順
1. 伝えたいことを、5枚のスライドにする
まず、伝えたいことを5枚程度のスライドにします。1枚に1つのことだけを書きます。文字は少なめにして、話す内容は原稿として別に書きます。スライドもAIに作らせて構いません。「この内容を5枚のスライドに」と頼めば下書きが出ます。
2. 原稿を、話し言葉で書く
各スライドで話す原稿を、話し言葉で書きます。書き言葉のままAIに読ませると、硬く聞こえます。「〜です」「〜ですね」と、自分が話すような文にします。原稿を書くのが面倒なら、自分でスライドを説明しているところを録音して、それを文字にして整えさせても作れます。
3. AIに声を付けさせる
スライドと原稿をAIの道具に渡して、声を付けさせます。声の種類は、男性か女性か、落ち着いた調子か明るい調子かを指定します。最初は1本、3分くらいの短い動画から作ってみてください。
4. 通しで見て、聞き取りにくい所を直す
できあがった動画は、最初から最後まで通しで見ます。読み方がおかしい言葉、間が詰まりすぎている所、スライドと声がずれている所を書き出して、直します。
読み方のつまずきへの対策
AIの声は、漢字や英語の読み方を間違えることがあります。社名や商品名、業界の言葉は特に間違えやすいところです。読み方を間違える言葉は、原稿の中だけカタカナやひらがなに書き換えると、正しく読んでくれることが多いです。スライドに表示する文字はそのままで構いません。よく間違える言葉は一覧にしておくと、次の動画からは最初から直せます。
どんな動画から始めるとよいか
最初に作るなら、お客様からよく聞かれる質問への答えがおすすめです。「申し込みの流れ」「よくある質問」「はじめての方へ」。毎回同じ説明をしている内容ほど、動画にした時の効き目が大きくなります。1本作れば、電話やメールで同じ説明をする時間が減ります。説明のたびに話す内容がぶれることもなくなります。社内の新人向けの説明にも使えます。一度作れば、何度でも同じ説明ができます。
動画を作る時の順番
説明の動画を作る時は、原稿から先に作るのがおすすめです。原稿が決まれば、スライドは原稿に合わせて作れます。スライドから作ると、話す内容が後から変わり、作り直しになりがちです。原稿は、最初に「この動画を見た人に、何をしてほしいか」を1行で書いてから書き始めます。最後の一言がその1行に向かっていれば、動画全体がぶれません。
気をつけること
AIの声やスライドの道具には、使ってよい範囲の決まりがあります。お客様に公開する動画に使う前に、商用で使ってよいかを確かめてください。動画の中の数字や制度の説明は、AIが作った下書きのまま出さず、自分で確かめてください。また、人の声をまねた音声を作る場合は、本人の了承が要ります。
今から始める社長へ
カメラの前に立たなくても、説明の動画は作れます。まずは、お客様によく聞かれる質問を1つ選び、5枚のスライドと原稿を作ってAIに声を付けさせてみてください。2週間かかっていた仕事が、短い時間で形になるはずです。