場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 10/27本目
AIが作った管理表が二重になったら、正しい置き場を1つにして残りを消す
教科書でいうと → 第7章「会社の第2の脳」(解説動画つき)
AIに頼むと、管理表や一覧を、いくつでも作ってくれます。便利なのですが、気づくと、同じ内容の管理表があちこちに増えます。僕も、2026年の8月に、それが原因で困りました。この記事では、管理表を1つにまとめた経緯と、社長が真似できる進め方を書きます。
文書が46本、画面は見られない
AIは、作業の進み具合を管理するために、「LIVE台帳」と呼ぶ文書を、全部で46本も作っていました。ところが、その文書があるせいで、本来の管理先であるゴーハイレベルの画面を、誰も見なくなっていました。文書に書いても、画面は見ないし、画面に書いても、文書は更新されません。二重になっていたのです。
僕は、46本すべてを、全面廃止すると決めました。ゴーハイレベルで管理する以上、文書は要らない、という判断です。その結果、管理先は、ゴーハイレベルの画面に一本化されました。見る場所が1つしかないので、そこを見るしかない形になりました。
二重にあると、誰も正本を見なくなる
ここで分かったのは、台帳が二重にあると、誰も正しい方を見なくなる、ということです。どちらが最新か分からない状態は、ないよりも悪いことがあります。そして、AIは、頼まれなくても文書を増やしてしまいます。正しい置き場を決めて、他を消すのは、人の仕事です。
今日から真似できる手順
画面や道具は変わるので、考え方を書きます。
1. 管理表が、いくつあるか数える
AIに「いま、進み具合を管理している文書や表を、すべて挙げて」と頼みます。場所も一緒に書き出してもらいます。数えてみると、思ったより多いことがあります。
2. 正しい置き場を、1つ決める
顧客管理の画面でも、1つのスプレッドシートでもかまいません。「ここが正」と決めます。決める基準は、普段から自分が開く場所かどうかです。
3. 他の管理表は、消すか、読むだけにする
正以外の文書は、思い切って消します。残したいものは、「古い控え」と名前を付けて、更新しないものとして保管します。消すときは、中身を別の場所に写してから消せば、戻せます。
4. AIに、新しい管理表を作らないよう伝える
「進み具合は、正の置き場にだけ書く。新しい管理表は作らない」と、AIに指示します。この指示を、AIの設定に書いておくと、会話が替わっても守られます。
消す時の、安全な手順
文書をまとめて消すのは、不安が伴います。だから、いきなり消さず、まず1つの文書で試します。中身を正の置き場に移して、問題がなければ、他にも広げます。消す前に、全部を1つのフォルダに集めて、フォルダごとに圧縮して保管しておくと、万一のときに戻せます。消す日付も、メモしておきます。あとで「あの資料はどこへ行った」と探すときの、手がかりになります。
正の置き場に、書くための決まり
置き場を1つにしたら、書き方の決まりも、一緒に決めておきます。たとえば、「お客様ごとに1つのカードを作る」「進み具合は、カードの一番上に1行で書く」「日付は、年月日の形にそろえる」といった、簡単なものです。決まりがあると、AIが書き込むときにも、人が見るときにも、迷いません。また、1週間に1回、10分だけ、置き場の中を見直す時間を作ります。古い項目を整理するだけで、見やすさが保てます。
管理表が増える、本当の理由
AIが管理表を増やすのは、悪意ではなく、親切心からです。「進み具合が分かりやすいように」と、頼まれていなくても、新しい一覧を作ります。作ること自体は悪くありません。問題は、作ったあとの更新が続かないことです。だから、AIに頼むときは、「この一覧は、いつまで使うのか」「誰が更新するのか」も一緒に決めてもらいます。期限と担当のない一覧は、いつの間にか古くなって、二重の原因になります。
一本化したあとの、変化
置き場を1つにすると、探す時間が減ります。「あれはどこに書いたか」と迷うことがなくなり、AIにも「ここを見て」と1か所を指すだけで済みます。僕の場合も、見る場所が1つになったことで、確認の手間が目に見えて減りました。
AIにも、見る場所を教える
置き場を1つにしたら、AIの最初の指示にも、「状況は、この置き場を見る」と書いておきます。AIは、教えられた場所を信じて動きます。だから、場所を教えることが、二重を防ぐ一番の方法です。
迷ったら、減らす
管理表を増やすか迷ったら、増やさないほうを選びます。足りなくなったら、そのとき足せば間に合います。減らすのは手間がかかっても、増やすのはいつでもできるからです。
気をつけること
正の置き場にも、AIが勝手に書き込むことがあります。書き込んでいい項目を、先に決めておきます。また、お客様の情報が入った文書は、消す前に、移し先の安全を確かめてください。
今から始める社長へ
管理表が増えるのは、仕事が回っている証拠でもあります。でも、増えたまま放っておくと、誰も見ない文書が積もっていきます。まずは、いま使っている管理表を、全部数えてみましょう。