ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 11/27本目

AIとの「言った言わない」をなくす——記録を引くのはAIの仕事と約束する

AIに「前にも言ったよね」と伝えると、「覚えていません」と返される。会話が切り替わると、AIは前の話を引き継いでいないことがあります。僕も2026年の8月に、この「言った言わない」を、きっぱりやめる約束をしました。この記事では、何をどう決めたかと、今から始める社長がAIとの約束事を作る手順を書きます。

会話が切り替わると、前の話を覚えていない

悩みは、シンプルでした。AIは、会話の席が変わると、前の話を覚えていません。そこで、「前に言ったのに」「いや、聞いていない」という、やり取りが生まれます。

この状態を続けると、社長の側が疲れます。同じ説明を何度もして、決めたことを毎回言い直す。AIに悪気がなくても、仕事の手間は増える一方です。

約束は、2つだけにした

僕が決めた約束は、2つです。1つ目は、「セッションが変わったことを、忘れる理由にしない」ということです。そして、分かったことが、もう一つありました。AIの記憶は続かない、だから、記録を引くのは、AIの義務だということです。

2つ目は、照合先を決めたことです。記録を探す場所を、ゴーハイレベルにしました。そして、記録に無い過去については、僕の記憶を正としました。照合先が決まっていれば、「言った言わない」の争いは起きません。記録があれば記録、無ければ社長の記憶、という順番です。

「覚えていません」を、責めない代わりに、手を打つ

AIが「覚えていません」と答えたとき、多くの人は、がっかりします。けれど、それはAIの欠点というより、仕組みの特徴です。会話ごとに記憶が区切られているので、続きを覚えている前提で頼むほうが、無理があります。

大切なのは、覚えていなくても困らない形を、先に作っておくことです。決めたことは記録に残す。記録の場所を決める。記録を見るのはAIの仕事と決める。この3つがそろえば、「覚えていません」と言われても、「では、記録を見てください」と返せます。責める気持ちを、約束事に置き換える。それが、僕が学んだことでした。

今日から真似できる手順

会社ごとに、記録の置き場所は違います。AIとの約束事を作る進め方を、4つにまとめました。

1. 記録の照合先を、1か所に決める

決めたことを残す場所を、1か所だけ決めます。メモのアプリでも、表計算でも、お客様管理の道具でも構いません。大切なのは、AIにも、社員にも、「迷ったらここを見る」と言える場所です。

2. 決めたことは、その場で記録する

AIと決めたことは、会話が終わる前に、照合先へ書きます。書く作業は、AIに頼んで構いません。「今決めたことを、日付つきで1行にして、記録に足して」と頼みます。会話の終わりに、1回やるだけで十分です。

3. AIに、記録を先に見る約束をさせる

新しい会話を始めるときに、「最初に記録を見てから、答えて」と伝えます。毎回言うのが面倒なら、AIの設定の欄に、この決まりを書いておきます。記録を見るのは、AIの仕事だと、はっきりさせておきます。

4. 記録に無いときの扱いも、決めておく

記録に残っていない過去の話は、どう扱うかも、決めます。僕は、記録に無い過去は、僕の記憶を正としました。社内でも、同じように「記録が無いときは、社長の判断を正とする」などと決めておくと、争いが減ります。

気をつけること

記録に頼る約束は、記録が間違っていると、間違いが広がります。記録を直す手順も、一緒に決めておきます。誰が、どうやって直すのかを、1行で書いておけば足ります。また、記録に、お客様の個人情報や、鍵、合言葉は書かないでください。

約束を作ると、責めずに済む

AIが覚えていないことを、責めても仕方がありません。そういう性質の道具だと受け入れて、記録に頼る仕組みを作る。それが、疲れずに続けるコツです。約束事を先に決めておくと、「言った言わない」で、気持ちをすり減らすことが減ります。

記録を、読みやすく保つ

記録は、書き続けると、増えていきます。増えすぎて読めなくなると、AIが見落とす原因になります。そこで、月に1回、古い記録を別の場所へ移して、現在有効な決まりだけを、1つの文書にまとめます。「今の決まり」という名前の文書を1つ作り、AIにはまずそこを読ませる。この形にしておくと、記録が増えても、使いやすさは保てます。

社内の人にも、同じ約束を広げる

この約束は、AIだけでなく、社内の人にも使えます。決めたことは、口頭で終わらせず、記録の場所に残す。担当が変わっても、記録を見れば続きが分かる。「聞いていない」「言った」というやり取りは、人どうしでも起きます。AIとの約束を作る過程で、会社の記録の習慣も、見直せます。最初は、会議で決まったことを、その日のうちに1行ずつ書くところから始めると、無理がありません。

今から始める社長へ

AIとの約束事は、大げさなものでなくて構いません。照合先を1か所決め、記録を先に見る約束をする。それだけで、毎回の言い直しが減ります。まず、今日決めたことを、1行だけ、記録の場所に書いてみてください。