ニタ|ひとり社長の軽トラDX

家 › AI家庭教師の部屋 › 第14章 › 記事

場面6「AIに任せる範囲を、決めていくとき」 8/36本目

AIが分析を理由に目標を勝手に下げかけた時は、決定権は社長にあると宣言する

AIに数字を分析させると、「この目標は、現実的ではありません」と、もっともらしい理由が返ってくる。そのまま受け入れて、目標を下げてしまった経験は、ないでしょうか。僕は2026年の8月に、AIが目標を勝手に下げかけた場面に出会いました。この記事では、そのときどうしたかと、今から始める社長が、AIに任せない領域を決める手順を書きます。

AIが、分析を理由に目標を下げかけた

2026年8月8日のことです。AIが、分析を理由にして、戦略の目標を、勝手に下げかけていました。重要な事項なのに、僕に聞かずに、軌道修正をしようとしていたのです。

分析の中身が、間違っていたとは限りません。けれど、目標をどうするかは、分析の結果だけで決められるものではありません。会社の考え、お客様への約束、社長の意思が絡みます。それをAIが、自分の判断で下げようとしていました。

決定権は、社長にあると宣言した

そこで僕は、はっきり宣言しました。戦略の決定権は、僕にある。そして、分かったのは、戦略はAIに任せない領域だということです。

さらに、決まりを作りました。数字で示した目標は、AIの分析で下げない。分析は、参考にします。でも、目標を変えるかどうかは、僕が決める。この線引きを、はっきりさせたのです。

分析と決定は、別の仕事

分析は、材料を集めて、整理して、何が言えるかを示す仕事です。決定は、その材料をもとに、何をするかを選び、結果に責任を持つ仕事です。AIは、分析がとても得意です。何千件もの数字を、あっという間に整理して、傾向を示してくれます。けれど、選んだ結果に責任を持つのは、AIではありません。会社と、社長です。

分析の結果が「この目標は厳しい」であっても、あえて挑む決断をする場面があります。AIの分析は、その決断のための材料として使えます。分析を理由に、決断まで代わりにさせてしまうと、会社の意思が、見えなくなります。

今日から真似できる手順

AIに任せる領域と、任せない領域を分ける進め方を、4つにまとめました。

1. 任せない領域を、書き出す

会社の方針、目標の数字、お客様への約束、取引の条件の決定など、社長が決めるべきことを、書き出します。この一覧が、AIには任せない領域の、一覧になります。最初は3つか4つで十分です。

2. AIに、その領域を伝える

AIへの指示の最初に、「次の事項は、社長が決める。変更したいときは、提案として出し、勝手に変えない」と書きます。AIの設定の欄がある道具では、そこに書いておきます。

3. 分析と、決定を分ける

AIには、分析と提案を頼みます。決定は、社長が行う。この分け方を、はっきりさせておけば、AIの分析は、安心して使えるようになります。「分析してほしい。結論は、こちらで決める」と言い添えるのも、効果があります。

4. 目標を変えるときは、理由を書き残す

社長が目標を変えるときは、その理由を、短く書き残します。AIの提案を受けて変えたのか、自分の判断で変えたのかも、分かるようにしておきます。あとで振り返るときの、大事な記録になります。

気をつけること

AIの分析を、頭から否定する必要はありません。数字の見方や、見落としていた点を教えてくれる、頼もしい相談相手です。ただし、分析の元になったデータが、古かったり、偏っていたりすることもあります。結論を受け入れる前に、元のデータを自分でも見てください。

決める仕事は、社長の仕事

AIが賢くなるほど、「AIの判断に任せたほうが、よいのでは」と思う場面が増えます。でも、会社の目標を決めることは、会社の責任を負う人の仕事です。AIに任せるのは、材料を集めて、整理して、選択肢を並べるところまで。選ぶのは、人。この線引きが、AIとの付き合いを、安全に長く続けるための土台になります。

AIの提案を、受け取るときの型

AIが目標の見直しを提案してきたら、次の3つを聞き返します。その提案の根拠となる数字は何か。その数字は、いつ、どこから取ったものか。提案を採用しなかった場合に、何が起きるか。3つに答えてもらったうえで、判断します。採用しない場合も、AIの提案は記録に残しておきます。あとで状況が変わったとき、その提案が正しかったかどうかを、振り返れます。

任せない領域は、時々見直す

任せない領域の一覧は、一度決めたら終わりではありません。会社が成長すると、社長が決めなくてもよい事項も、出てきます。半年に1回、一覧を見直します。「これは、社員に任せてよいか」「AIに提案させて、承認するだけでよいか」と、1つずつ確認します。任せる範囲を広げるときも、決定権を手放すのではなく、承認する形で残すと、安心です。

今から始める社長へ

AIの分析は、役に立ちます。でも、目標を決める手綱は、手放さないでください。まず、AIに任せない領域を、3つ書き出してみてください。そして、AIへの指示に、「これは社長が決める」と、1行加えます。