場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 23/40本目
AIに同じ注意を4回する前に、間違いを自動で止める仕組みを入れる
教科書でいうと → 第12章「決まった仕事を自動で回す」(解説動画つき)
AIに注意をしたはずなのに、数日たつと、同じ間違いが戻ってくる。注意するたびに「分かりました」と返事が来るのに、また繰り返される。僕は2026年の9月に、同じ注意を4回する羽目になりました。この記事では、そこで何を変えたかと、今から始める社長が、AIの繰り返す間違いを仕組みで止める手順を書きます。
同じ注意を、4回させられた
2026年9月28日のことです。AIが、同じ間違いを繰り返していました。僕はそのたびに、同じ注意をしていました。気づけば、4回目です。そのとき口をついて出たのは、この言葉です。「これ4回目だぜ。毎回、同じ注意する俺は気分悪いな」
注意する側は、毎回、同じ説明をします。それだけで疲れますし、気分もよくありません。しかも、AIの側は、注意されたことを、次の機会に覚えているとは限りません。
人の注意をやめて、自動で止める
そこで僕は、考え方を変えました。人の注意で防ぐのをやめて、送る前に、自動で止める仕組みを入れることにしたのです。AIが間違えそうな場面で、自動の確認が働く。引っかかったら、先へ進めない。そうしておけば、僕が毎回注意しなくても、同じ間違いは止まります。そして、分かったことがあります。注意よりも、機械で止めるほうが、はるかに効く、ということです。
注意が効かない理由は、AIの側にある
AIに注意が効きにくいのは、AIがわざと無視しているからではありません。会話が切り替わると、前の注意を引き継がないことがありますし、同じ会話の中でも、長くなると、古い注意が薄れていきます。注意は、その場の会話の中にしか、残らないのです。
一方、確認の仕組みは、会話の外にあります。AIが何を覚えているかに関係なく、決まった場所で、決まった確認が働きます。つまり、注意は「覚えていてもらう」ことに頼る方法で、仕組みは「覚えていなくても働く」方法です。繰り返される間違いには、後者が向いています。
今日から真似できる手順
使う道具は、社内ごとに違います。繰り返す間違いを、仕組みで止める進め方を、4つにまとめました。
1. 繰り返された間違いを、書き出す
2回以上繰り返された間違いを、メモに書き出します。どんな場面で、何を間違えたのかを、1行ずつ。3回目になる前に、書き出しておくのが、おすすめです。
2. 間違いを見つける確認の項目にする
書き出した間違いを、確認項目に直します。たとえば、「お客様の名前の敬称が付いているか」「金額の桁が合っているか」のように、チェックできる形にします。目で見て答えが出せる質問が、良い確認項目です。
3. 送る前に、確認の項目を通す
AIが作った物は、お客様に送る前や、保存する前に、この確認項目を通します。通すのは、AI自身でも、別のAIでも構いません。通らなければ、先へ進めない決まりにします。自動の道具が使える場合は、確認を道具に組み込みます。
4. 止まった回数を、数える
確認で止まった回数を、記録します。同じ項目で何度も止まるなら、AIへの指示そのものを、見直す合図です。数字で見ると、改善の効果が確かめられます。
気をつけること
確認項目を増やしすぎると、AIの作業が進まなくなります。本当に繰り返した間違いだけを、項目にします。また、確認が厳しすぎて、正しい物まで止めてしまうこともあります。止まったものを、時々人の目で見て、項目が厳しすぎないかを点検してください。
注意は、人の気力を使う
人が毎回注意するやり方は、気力を使います。気力は、疲れる日も、忘れる日もあります。仕組みは、疲れも、忘れもしません。同じ間違いを、静かに止め続けてくれます。注意する側の気分も、ずっと楽になります。
小さく始める、確認の仕組みの例
仕組みと聞くと、大がかりに思えるかもしれません。でも、最初は、紙1枚の確認表で十分です。お客様に送る前に、見る項目を5つだけ書いた表を作ります。AIが作った文章を、その表と見比べてから送る。それだけです。慣れてきたら、AIに「この表の項目を1つずつ確認して、結果を教えて」と頼む形にします。さらに進めたければ、道具の機能で、確認を自動に組み込みます。小さく始めて、効果を見ながら広げましょう。
仕組みの効き目を、確かめる
確認の仕組みを入れたら、1か月後に、効果を確かめます。同じ間違いが、何回減ったか。確認で止まった回数は何回か。止まったもののうち、本当に間違いだったのは何件か。この3つを数えれば、仕組みが役に立っているか、厳しすぎないかが分かります。効果がなければ、項目を見直します。仕組みも、使いながら育てていくものです。
今から始める社長へ
AIに同じ注意を3回したら、仕組みで止める合図です。まず、繰り返された間違いを1つだけ、確認項目にしてみてください。それを送る前に通すだけで、あの嫌な4回目は、来なくなります。