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場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 4/27本目

AIが昨日の解決を忘れて問題が再発する時は、共有の書き置きを作る

昨日、解決したはずの問題が、今日になってまた出てきた。AIに指示して直したはずなのに、AIはその話を覚えていない。そんな経験をした方は、多いのではないでしょうか。僕も2026年の2月に、同じ目に遭いました。この記事では、そのときどうやって収めたのかと、今から始める社長が、AIの記憶に頼らず仕事を進める手順を書きます。

解決したはずの話が、また出てきた

2026年の2月26日のことです。前日に、1体目のAIに指示して解決したはずの問題が、また出てきました。1体目のAIが、前日の内容を忘れていたのです。僕はこれを、AIの記憶喪失と呼んでいます。

AIは、会話が切れたり、画面を開き直したりすると、前の話を覚えていないことがあります。本人は、悪気なく、同じ問題に最初から取り組み直します。人間の側は、同じ説明を繰り返すことになります。これが続くと、仕事は前に進みません。

共有の書き置きを置いて、収まった

このときは、複数のAIが力を貸してくれました。マヌス、アンチグラビティ、クロードデスクトップの3つです。3つのAIが、それぞれ自分がやったことを、共有のホワイトボードに書いて、見られるようにしました。さらに、問題と対応の内容を、日誌にも書かせました。これで問題は、解決しました。

そして、嬉しい変化がありました。1体目のAIが忘れても、監査役のAIが、書き置きを見て、カバーしてくれるようになったのです。僕はそのとき、「面白い!面白すぎる」と思いました。

記憶を直そうとせず、記録を整える

AIが忘れるたびに、「ちゃんと覚えておいて」と言っても、あまり効果はありません。AIの記憶は、会話ごとに区切られていることが多く、頼んだだけでは残らないからです。それより、忘れても困らない形に、仕事の側を整えるほうが、うまくいきます。

整えるといっても、特別な道具は要りません。今日決めたこと、昨日直したこと、まだ終わっていないこと。この3つを、関係する全員が読める場所に、短く書く。それだけで、AIが入れ替わっても、人が入れ替わっても、続きから始められます。同じ失敗を繰り返さないための記録は、AIにとっても、人にとっても、いちばん確かな記憶になります。

今日から真似できる手順

画面や道具は変わりますが、「AIの記憶に頼らず、書き置きに頼る」考え方は、そのまま使えます。

1. 共有の置き場所を1つ作る

メモのアプリでも、表計算でも、フォルダでも構いません。複数のAIと自分が、同じ場所を見られるようにします。置き場所は、1か所にまとめます。分散すると、どれが最新か分からなくなります。

2. 作業が終わったら、AIに書かせる

作業が1つ終わるたびに、AIに「今日やったこと、決めたこと、残っていること」を3行で書かせます。書く場所は、先ほどの共有の置き場所です。書く手間を、AIに任せるのがコツです。

3. 解決した問題は、日誌に残す

トラブルが解決したら、「何が起きて、どう直したか」を、日誌に残します。日付と原因と対応の3つがあれば十分です。次に似たことが起きたとき、AIにこの日誌を読ませれば、同じ問題に最初から取り組み直さずに済みます。

4. 新しい会話の最初に、書き置きを読ませる

AIとの新しい会話を始めたら、まず共有の置き場所を読ませます。「最初にここを読んで、今日の続きから始めて」と頼むだけで、前日の続きから進められます。

気をつけること

書き置きの量が増えすぎると、AIが読むのに時間がかかり、肝心な内容を見落とします。古い内容は、月ごとにまとめて別の場所へ移し、最新の分だけを残すようにします。また、書き置きにお客様の個人情報や、鍵、合言葉を書かないように決めておきます。

記憶は、人にもAIにも不確かなもの

AIの記憶に頼れないと聞くと、不便に感じるかもしれません。でも、人間の記憶も、同じように不確かです。だから、記憶を前提にせず、書いて残す。AIでも人でも、使える方法です。書き置きを共有しておけば、担当のAIが変わっても、担当の社員が変わっても、仕事の続きが失われません。

書き置きを、続けるための工夫

書き置きは、最初は意気込んで始めても、数日で止まりがちです。続けるコツは、書く作業をなるべく小さくすることです。毎日の終わりに、AIへ「今日の作業を、3行で書き置きに足して」と頼むだけにします。人が書くのは、確認の一言だけです。書き置きを見るのも、毎朝1回、AIに「昨日の続きを教えて」と聞くだけにします。書く手間と読む手間を、どちらも小さくしておけば、1か月たっても続いています。

今から始める社長へ

AIが昨日のことを忘れても、責めなくて大丈夫です。忘れる前提で、書き置きを用意しておけば、仕事は止まりません。まずは、今日の作業の終わりに、AIへ「今日の3行まとめ」を頼むところから始めてみてください。