場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 6/27本目
AIと作った企画が翌日見つからない——会話で終わらせず置き場に残すやり方
教科書でいうと → 第7章「会社の第2の脳」(解説動画つき)
AIと話しているうちに、いい企画がまとまった。そんな夜はありませんか。ところが翌朝、続きをやろうと思って開いても、どこにあったか分からない。僕も、まさに同じところでつまずきました。この記事では、そのときの体験と、会話で生まれた物を消さずに残すための手順を書きます。
前の晩の企画が、翌日呼び出せなかった
2026年の春先のことです。前の晩、Claudeと一緒に、ゴーハイレベルを題材にしたラジオの企画を練りました。話しながら、企画の形をまとめていきました。
翌日、その企画の続きをやろうとしたら、見つからないのです。企画は会話の中にあるだけで、どこにも保存していませんでした。前の晩にまとめたはずの中身を呼び出せず、再現するのに手間取りました。そのときの僕の言葉が、これです。
「思い出すのが結構あれなんでプロジェクトにしときゃよかった」
会話の画面は、話している間はとても便利です。けれど、閉じてしまうと、どこで何を話したかを自分の記憶に頼って探すことになります。
書き役のAIに探させて、置き場を決めた
困った僕は、普段作業を任せている書き役のAIに、企画書を探させました。そして、それ以降は、フォルダを作って情報をそこに集めさせることにしました。
そこで分かったのは、良い企画ほど会話で終わらせてはいけない、ということです。会話は、考えを広げる場所です。残す場所ではありません。良い企画が出たら、その場でプロジェクトにして、置き場を作って残す。そうしないと、せっかくの中身がもったいないことになります。
今日から真似できる手順
ここからは、同じつまずきを防ぐための手順です。AIの道具ごとに画面や呼び名は違い、これからも変わっていくので、考え方を中心に書きます。
1. 企画ごとにフォルダを1つ作る
パソコンの中に、企画ごとのフォルダを1つ作ります。名前は「日付+中身」にしておくと、後から並べたときに探しやすくなります。例えば「0301_ラジオ企画」のような形です。道具によっては、会話をまとめておく「プロジェクト」のような入れ物があります。それを使っても構いません。ただ、道具の中の入れ物だけに頼ると、別の道具に乗り換えたときに持ち出しにくくなります。迷ったら、自分のパソコンのフォルダを正本にして、道具の入れ物は作業場として使うと考えると整理しやすくなります。フォルダは企画が1つ思いついた時点で作ってしまって構いません。中身が少なくても、置き場があるだけで後の自分が助かります。
2. 話し終わる前に、要点をまとめてもらう
会話を閉じる前に、AIにこう頼みます。「今日決まったことと、まだ決まっていないことを、箇条書きでまとめて」長い会話をそのまま残すより、まとめた1枚のほうが翌日すぐに読めます。
3. まとめを、フォルダに保存する
まとめてもらった文を、手順1のフォルダにファイルとして保存します。ファイルを直接扱えるAIなら、「このフォルダに保存して」と頼めば任せられます。会話だけの道具なら、文を写してメモ帳などに貼り、保存します。ここで大事なのは、会話の外に1つ、形のある物を置くことです。
4. 翌日は、そのファイルから始める
次の日は、会話の履歴を探すのではなく、保存したファイルを開いてAIに渡します。「これが昨日の企画のまとめです。続きをやりましょう」と始めれば、前の晩の続きにすぐ戻れます。探す時間が要らなくなり、思い出す負担も減ります。新しい会話で始めても、まとめの1枚があれば、AIは前の晩の中身をすぐにつかめます。
まとめの1枚に入れておく5つのこと
まとめを頼むとき、何を入れてもらうかを決めておくと、翌日の読みやすさが変わります。僕のおすすめは、次の5つです。
- 企画の名前と、ひと言で言うと何の企画か
- その日に決まったこと
- まだ決まっていないことと、迷っている理由
- 次にやること(誰が、何を)
- 話の途中で出た、捨てがたい案
5つ目が意外と大事です。会話の途中で出た案は、まとめると消えがちです。けれど、後から見返すと、そこに次の企画の種があることがあります。この5つを毎回同じ順番で並べてもらうよう、AIへの頼み方を1つの文にして手元に置いておくと、毎回考えずに済みます。例えば「企画の名前、決まったこと、決まっていないこと、次にやること、捨てがたい案の順でまとめて」と、そのまま貼れる形にしておきます。
残すときに気をつけること
置き場を作るときに、気をつけてほしいことがあります。
- 置き場を増やしすぎない。フォルダがあちこちに散らばると、結局どこにあるか分からなくなります。最初は1か所の親フォルダの下にまとめます
- 名前の付け方を最初に決める。人によって付け方がばらばらだと、探すときに迷います
- お客様の名前や連絡先が入った会話は、そのまま保存先を共有しない。社員と共有するフォルダに置く前に、中身を一度見直します
もう1つ、AIに探してもらうにも、手がかりが要ります。置き場が決まっていれば、「あのフォルダの中から探して」と一言で頼めます。置き場が無いと、AIも人も、手当たり次第に探すことになります。だからこそ、話し終わる前の一手間が効いてきます。
今から始める社長へ
AIと話していると、思っていた以上に良い考えが出てきます。それ自体は、とても良いことです。ただ、出てきた考えを会話の中に置きっぱなしにすると、翌日の自分が困ります。
いい企画が出たら、その場で置き場を作る。話し終わる前に、まとめてもらって保存する。この2つを習慣にするだけで、前の晩の続きに迷わず戻れるようになります。僕も、企画を呼び出せなかったあの日から、フォルダを作って情報をそこに集めるようにしました。