場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 21/27本目
AIを複数使うと「さっきの続き」が通じない。引き継ぎメモを共通の場所に置く
教科書でいうと → 第7章「会社の第2の脳」(解説動画つき)
AIに「さっきの続きをお願い」と言ったら、まるで初めて聞いたような答えが返ってきた。そんな経験はありませんか。この記事では、僕が2026年の3月と5月に直面した、AIの会話が引き継がれない問題と、そこから作った決まりを、社長向けにまとめます。
昨日の続きが、分からなくなる
2026年3月4日、僕は、昨日の続きをやろうとして、困りました。AIに探させると、全部を探し回るうえ、当てにならない結果でした。こちらから「これを残して」と指示しないと、良い会話は消えてしまいます。
双子に話しかけて、別人だった
2026年5月13日、僕は、複数のAIの席を並行して使っていました。名前をつけたAIが、別の席では、会話が共有されていませんでした。同じ人だと思って話しかけても、通じません。僕の感想は「双子に話しかけて別人だったような感覚」です。さらに、指揮役のAIに他のAIを任せたいのに、決定事項の通知も回収も、自分でやる「伝書鳩」の状態で、しんどいと感じました。
共有できるのは、フォルダだった
会話は共有されなくても、フォルダは、複数のAIで共有できます。僕は、ここに気づきました。そこで、引き継ぎの要点を、共有のフォルダにテキストで書き、会話の最初に、それを読ませる決まりにしました。作業自体は、非常にやりやすくなりました。
続く仕事は、専用のフォルダにする
3月には、続く仕事ごとに、プロジェクト用のフォルダを作って、情報を集める形にしていました。会話を保存する手順も使い、良い会話が消えないようにしました。仕事ごとに置き場所が決まっていると、探し回る手間が、なくなります。
自分の仕事で試す手順
1. 仕事ごとに、フォルダを作る
進めている仕事ごとに、フォルダを1つ作ります。名前は、仕事の内容が分かる名前にします。
2. 引き継ぎメモを、1枚書く
フォルダの中に、引き継ぎメモを1枚置きます。書く内容は「目的」「決まったこと」「いまの状態」「次にやること」の4つです。
3. 会話の最初に、読ませる
新しい会話を始めるたびに、「このフォルダの引き継ぎメモを読んでください」と伝えます。それだけで、続きの作業に入れます。
4. 終わるときに、メモを更新する
会話を終える前に、「今日決まったことを、引き継ぎメモに追記してください」と頼みます。更新が習慣になると、メモが常に最新になります。
メモの書き方の目安
引き継ぎメモは、10行ほどで十分です。長すぎると、AIも読みきれず、人も読み返しません。決まったことは、日付をつけて残します。迷っていることは「検討中」と書きます。
席ごとの役割を決める
複数のAIを使うときは、席ごとに役割を決めます。たとえば、1つは文章を作る席、1つは確認する席、のようにします。役割が決まっていると、引き継ぎメモに書く内容も、はっきりします。全部の席に同じ仕事を頼むと、混乱が増えます。
よくある疑問:毎回読ませるのは面倒では
読ませる作業は、1行の依頼で済みます。毎回ゼロから説明するよりも、ずっと早いです。慣れたら、定型の依頼文を作っておくと、さらに楽になります。
読ませるメモの、サンプル
引き継ぎメモのサンプルです。「目的:新しいお客様向けの案内ページを作る。決まったこと:色は青、ボタンは2つ。いまの状態:文章は完成、画像はまだ。次にやること:画像3枚を選ぶ」。このくらいの短さで、AIも人も、すぐに状況をつかめます。毎回、同じ型で書くと、読み取りも安定します。
会話を、残す指示
良い会話が消えないように、「ここまでの会話の要点を、引き継ぎメモに追記してください」と、自分から指示します。AIは、頼まれなければ、勝手に残してくれません。大事な決定が出たら、その場で残す習慣をつけるのが、おすすめです。
伝書鳩の状態を、減らす
複数のAIの間で、自分が情報を運ぶ作業が増えると、疲れます。共通のフォルダに書いてもらえば、自分が運ばなくても、別のAIが読めます。自分の役割は、運ぶことでなく、決めることだと割り切ります。運ぶ作業を減らすほど、使い続けやすくなります。
新しい席を、増やすとき
AIの席を増やすときは、増やす前に、引き継ぎメモの置き場所を、決めておきます。置き場所が決まっていれば、新しい席にも、同じ手順で、状況を伝えられます。
迷ったときの、基本の形
迷ったら、フォルダ1つと、メモ1枚から始めます。道具や仕組みを増やすのは、その後で十分です。続けられる小さな形が、いちばん強い形です。
気をつけること
引き継ぎメモには、パスワードや、お客様の個人情報を書かないでください。共有のフォルダは、誰が読めるかも、確認しておきます。また、古いメモが残ると、混乱のもとになるので、更新日を書いておくのがおすすめです。
今から始める社長へ
いま進めている仕事を1つ選び、引き継ぎメモを10行で書いてみてください。次にAIに頼むときに、そのメモを読ませるだけで、続きから始められます。