場面6「AIに任せる範囲を、決めていくとき」 25/36本目
単純作業は「消費の仕事」、自分がいらなくなる自動化は「投資の仕事」と分けて考える
教科書でいうと → 第12章「決まった仕事を自動で回す」(解説動画つき)
毎日の仕事に追われて、気づくと1日が終わっている。仕組みを作る時間が取れない。そんな悩みを抱える社長は、少なくありません。この記事では、僕が2026年の7月に語った、「消費の仕事」と「投資の仕事」という分け方と、仕組みへの投資を積んでいく考え方を、社長向けにまとめます。
毎日の単純な作業を、「消費の仕事」と呼ぶ
2026年の7月7日、僕は、単純作業を「消費の仕事」と呼んで、嫌っていると話しました。たとえば、音声を読み上げる動画の作成を、毎日手作業で行うと、頭を使わない時間がかかります。時間を消費するだけで、何も残らないのです。こうしたルーチンの作業は、自動化できる、と僕は考えています。
自分がいらなくなる作業を、「投資の仕事」と呼ぶ
一方で、自動化の仕組みを作る作業を、僕は「投資の仕事」と呼んでいます。一度作れば、自分がいらなくなる。仕組みへの投資が、あとで楽を生む、という考え方です。前の年の8月にも、僕はこの考えを言葉にしていました。消費の仕事より、投資の仕事を少しずつ積んでいく。「いつか気が付くと楽になる」というものです。
自動化は、最初がいちばん大変
自動化には、乗り越える壁があります。僕の実感では、自動化は、最初は気持ち悪くなるほど大変です。でも、一度そこを乗り越えれば、できるようになります。僕の言葉でいえば「1回そこ乗り越えちゃえばできるんだ」です。また、AIが開発してくれる時代になっても、何を作るかという仕様を考えるのは、自分の仕事です。
自分の仕事を、2つに分けてみる手順
1. 1週間の作業を、書き出す
1週間にやった作業を、すべて書き出します。細かい作業も、思い出せる範囲で、入れます。
2. 「消費」と「投資」に、分ける
書き出した作業を、毎回同じことを繰り返すものは「消費」、仕組みを作るものは「投資」に分けます。最初のうちは、ほとんどが「消費」になるはずです。
3. 消費の中から、1つ選ぶ
毎日繰り返している「消費の仕事」の中で、一番頭を使わないものを1つ選びます。その1つを、自動化の候補にします。
4. 週に1時間だけ、投資に使う
1週間のうち、1時間だけは、選んだ作業を自動化する時間に充てます。時間を決めておかないと、目の前の仕事に押されて、いつまでも手が付きません。
投資は、少しずつ積む
投資の仕事は、一度に大きく進めようとしないでください。1週間に1時間でも、1年続ければ、50時間以上の投資になります。その積み重ねで、仕組みが増えていきます。少しずつ積めば、いつか気が付くと楽になる、というのが僕の見立てです。
仕様を考えるのは、自分の仕事
AIが作ってくれるとはいえ、何を作るかは、自分が決めます。どの作業を、どういう形で自動化したいのか。その仕様を考えることは、自分の業務を深く知っている人にしかできません。だから、投資の仕事の中でも、仕様を考える時間は、最も価値があります。
よくある疑問:忙しくて、投資の時間が取れません
忙しいときほど、投資の時間が必要です。ただ、無理に長い時間を取ろうとせず、週に30分から始めてください。消費の仕事を1つ自動化できれば、その分の時間が空き、次の投資に使えます。
仕組みを作る前に、手作業で一度やってみる
自動化する前に、まず手作業で1回、最後までやってみるのがおすすめです。手作業で、どの順番で何をしているかを書き出すと、自動化する流れが見えてきます。流れが見えないまま自動化しようとすると、AIに頼むときの指示も、あいまいになります。
投資の成果を、数字で残す
自動化できたら、どれだけ時間が減ったかを、数字で残します。たとえば「毎日30分かかっていた作業が、5分になった」と書いておきます。数字で残すと、投資が実を結んでいることが分かり、次の投資を続ける力になります。
消費の仕事の、見分け方
消費の仕事を見分けるには、「自分がやらなくても、同じ結果になるか」を問います。手順が決まっていて、判断が要らない作業は、消費の仕事の可能性が高いです。一方、お客様と話す、方針を決める、といった仕事は、自分がやる価値のある時間です。この線を引くと、自動化する作業と、自分で続ける作業を、冷静に分けられます。
投資の仕事に、向いている時間帯
投資の仕事は、頭を使う作業なので、集中できる時間帯に行うのがおすすめです。朝の一番頭が冴えている時間に、30分だけ取る。電話や来客の少ない時間を選ぶ。そうした工夫で、小さな時間でも、質の高い投資ができます。夕方の疲れた時間に回すと、後回しになりがちです。
気をつけること
自動化しすぎると、仕組みが止まったときに、誰も気づけなくなります。動いているかを確かめる手順も、あわせて作ってください。また、自動化の対象は、間違いの影響が小さい作業から選ぶのがおすすめです。お金や契約に関わるものは、慎重に進めます。
今から始める社長へ
毎日の単純作業は、そのまま続けず、自動化の候補として見直してみてください。まずは、今週の作業を書き出して、一番頭を使わなかった作業を1つ選ぶところから始められます。