場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 30/40本目
多機能な道具の説明は、機能ではなく、相手の困りごとと解決の物語で話す
教科書でいうと → 第16章「業種の仕事に当てはめる」(解説動画つき)
自社の商品やサービスを説明するとき、つい機能を並べてしまっていませんか。たくさんの機能を、一生懸命説明しても、聞く人は「結局、何ができるの」と感じてしまいます。この記事では、僕が2026年の6月に気づいた、説明の失敗と、困りごとの物語で話す方法を、社長向けにまとめます。
機能を語ってしまうのが、僕の失敗だった
2026年の6月15日、僕は、自分の失敗に気づきました。ある多機能な道具を紹介するとき、機能を語ってしまうのです。僕の言葉でいえば「僕の失敗はですね。機能を語っちゃうんですよね」です。多機能な道具は、説明しても、ほとんどの人が聞いても分かりません。機能を並べるほど、聞く人は、自分の仕事にどう関わるのかが見えなくなります。
困りごと、解決、変わり方の順に話す
そこで、話す順番を変えることにしました。機能ではなく、困りごと、解決策、仕事の変わり方の順に話します。まず、聞く人が抱えている困りごとを話します。次に、その困りごとを、どう解決したかを話します。最後に、解決した後で、仕事がどう変わったかを話します。この順番なら、聞く人は、自分のことに置き換えて聞けます。
物語にすると、記憶に残る
機能の一覧は、聞いたそばから忘れます。一方、「こういう困りごとがあって、こう解決して、こう変わった」という物語は、記憶に残ります。聞いた人が、あとで同じ困りごとに出会ったときに、思い出してくれるのは、物語のほうです。
自分の商品の説明で試す手順
1. お客様の困りごとを、1つ選ぶ
自社の商品を使ってもらった、あるお客様の、最初の困りごとを1つ選びます。たとえば「予約の電話が多くて、対応で手が止まる」のようなものです。
2. 解決に使った機能を、1つだけ選ぶ
解決に役立った機能を、1つに絞ります。複数を並べると、物語がぼやけます。
3. 変わった後の様子を、具体的に書く
「電話の対応が、1日1時間減った」のように、変化を具体的に書きます。数字があると、説得力が増します。
4. 3つを、1つの話にまとめる
困りごと、解決、変わり方を、30秒から1分の話にまとめます。声に出して読んでみて、聞いて分かるかを確かめてください。
機能の説明は、あとでいい
機能の説明が不要なわけではありません。物語で興味を持ってもらったあとに、「それは、こういう機能で実現しています」と補足すれば、聞く人も納得しやすくなります。順番を、機能が先から、物語が先に入れ替えるだけで、伝わり方が変わります。
社内の説明にも使える
この話し方は、社内でも役に立ちます。新しい仕組みを社員に説明するときも、「この機能が使えます」ではなく、「この作業が楽になります」と話すと、社員が興味を持ちます。機能の一覧表を渡す前に、まず、その機能で誰がどう助かるのかを話してください。
よくある疑問:物語にできる事例がありません
事例がまだない場合は、想像でなく、実際に聞いた困りごとから始めます。お客様から聞いた悩み、問い合わせでよくある質問などが、物語の出発点になります。実績がなければ、自分自身が困った体験を物語にするのも、1つの方法です。
物語の中に、数字を入れる
物語には、数字を1つだけ入れると、説得力が増します。「時間が減りました」ではなく、「30分かかっていた作業が、数分になりました」と話すと、聞く人が変化の大きさを実感できます。数字は、実際に確かめた事実だけを使ってください。大げさな数字は、信用を失います。
話す前に、書いておく
物語は、話す前に、紙に書いておくと、整理されます。困りごと、解決、変わり方を、それぞれ2〜3行で書いてみます。書いたものを声に出して読んで、長すぎる部分や、分かりにくい言葉を直します。話し慣れていない人でも、書いておけば、落ち着いて話せます。
聞く人に合わせて、物語を変える
同じ商品でも、聞く人によって、困りごとは違います。飲食店には予約の電話の話、士業には資料の整理の話、というように、相手の業種に合わせて物語を選びます。物語を3つほど用意しておき、相手に合わせて使い分けると、説明がぐっと伝わりやすくなります。
物語を話すときの、聞き手への問いかけ
物語を話した後は、聞き手に問いかけてみてください。「皆さんの会社でも、似たような困りごとはありますか」と聞くと、聞き手が自分ごととして考え始めます。問いかけに対する答えの中に、次の物語の種が見つかることも多いです。
気をつけること
事例を話すときは、お客様の名前や、特定できる情報を伏せてください。また、話を盛りすぎて、事実と違う内容にならないよう、実際にあったことだけを話すのがおすすめです。数字を出すときは、根拠を確かめてから使います。
今から始める社長へ
説明するときは、機能の話の前に、お客様の困りごとの話から始めてみてください。まずは、自社の商品で解決できる困りごとを、1つだけ言葉にしてみるところから始められます。