場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 28/49本目
AIに読ませる資料は、質を選びすぎず、まず大量に入れてしまう
教科書でいうと → 第4章「文書と表とスライド」(解説動画つき)
AIに自分の資料を読ませたい。でも、どの資料を入れるべきか迷って、手が止まっている社長は少なくありません。質の高いものだけに絞るべきか、手元の資料を全部入れていいのか。この記事では、僕が2026年に実際に続けてきた「質を選ばず、まず大量に入れる」方針と、その考え方を、社長向けにまとめます。
選ぶべきか、全部入れるべきか
2026年の3月、AI講座で、受講生から質問が出ました。資料は、質の高いものだけを入れるべきなのか、全部入れるべきなのか、という迷いです。僕の答えは、最初はあまり気にせず、どんどん学習させたほうがいい、というものでした。量が増えると、検索に時間がかかるようになります。それでも、最初のうちは気にせず入れていく。これが僕の運用でした。
「入れすぎないほうがいい」という説を、無視した
2026年の6月にも、同じ方針を語っています。世の中には「学習させすぎないほうがいい」という説があります。僕は、その説を気にせず、Obsidianにどんどん情報を入れていく運用を続けました。理由は、情報を多く当てたほうが、ゆくゆくはAIが賢く理解してくれると考えたからです。実際に続けていくうちに、Obsidianという道具そのものを、ほとんど意識しなくなりました。
入れる量より、使い方を指定する
大量に入れても、使うときに迷わなければ問題ありません。僕がしていたのは、どの内容から、何を作るかを指定することです。記事でも、提案書でも、元にする資料の範囲を伝えれば、AIは必要な部分を使って作ってくれます。つまり、入れるときに選別しなくても、使うときに範囲を決めれば、役に立つ形になります。
自分の資料で始める手順
1. 手元にある資料を、集める
過去の議事録、提案書、ブログの原稿、メールの文面。手元にあるものを、まず集めます。質の良し悪しは、この段階では考えません。
2. フォルダに、日付つきで入れる
内容ごとにフォルダを分けて、ファイル名に日付をつけます。細かく分けなくても、おおまかな分類で十分です。
3. 使うときに、範囲を伝える
AIに頼むときは、「このフォルダの、去年の資料をもとに」と範囲を指定します。範囲を決めれば、関係のない資料に引っ張られません。
4. 出てきた答えの出どころを、確かめる
AIの答えが、どの資料に基づいているかを、聞いて確かめます。出どころが違っていたら、範囲の指定を直してください。
質の低い資料が混ざっても、慌てない
質の低い資料、たとえば途中までのメモや、古い情報が混ざることがあります。そのときは、使うときに「古い資料は使わない」「最新の日付のものを優先する」と指示すれば、かなり防げます。入れる側で完璧を目指すと、いつまでも始められません。使うほうで調整するのが、続けやすい進め方です。
よくある疑問:処理が遅くなりませんか
量が増えれば、検索や読み込みに時間がかかるようになります。僕自身も、量が増えると検索に時間がかかることは認めています。ただ、始めたばかりのうちは、気にしなくて構いません。遅いと感じるようになったら、そこで初めて、古い資料を別の場所に移す、フォルダを分ける、などの整理を考えれば十分です。
入れる前に、1つだけ決めておくこと
大量に入れる方針でも、1つだけ決めておくと安心です。それは、「入れてはいけない資料の種類」です。お客様の個人情報、他社との契約書、社外秘の数字など、入れない種類を先に3つ書いておきます。この線さえあれば、それ以外は気にせず入れられます。迷う資料に出会ったら、入れずに保留にして、後で判断してください。
入れた資料は、使って初めて価値が出る
資料は、入れただけでは役に立ちません。使ってみて、はじめて価値が出ます。入れたその日のうちに、1つ質問をしてみるのがおすすめです。「去年の春に、取引先と何を決めたか」のような、思い出したい内容を聞いてみます。答えが返ってくる体験をすると、資料を入れ続ける意欲が湧いてきます。
量が増えた後の、整理の目安
資料が増えてきたら、半年に1回くらいのペースで、整理の日を作るのがおすすめです。古くなって使わない資料は、別のフォルダに移します。同じ内容の重複があれば、新しいほうを残します。消すのではなく、移すだけにしておけば、必要になったときに戻せます。整理の日を決めておくと、量が増えても、使いやすさを保てます。
気をつけること
大量に入れるときは、社外に出してはいけない情報が混ざっていないかを、先に確かめてください。お客様の個人情報や、取引先との機密は、使う道具の決まりを読んで、入れてよいかを判断します。また、AIが資料にない内容を答えてしまうこともあります。重要な点は、元の資料で確かめるのがおすすめです。
今から始める社長へ
資料は、選びすぎず、まず入れてみてください。手始めに、過去1年分の議事録を1つのフォルダにまとめて入れ、1つ質問してみるところから始められます。