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場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 14/27本目

現場の記録が残らない会社は、まずレコーダーを回すだけから始める

現場で何があったか。打合せで何を約束したか。後から問題になったときに、記録が残っていなくて困った経験はありませんか。全部を頭で覚えておくのには、限界があります。この記事では、僕が2025年の12月の会議で提案した「現場はレコーダーを回すだけ」という考え方と、その後に自分で始めた使い方を、社長向けにまとめます。

現場は、レコーダーを回すだけ

2025年の12月1日、社内の全体会議で、ある仕組みを提案しました。現場の人は、レコーダーを回すだけ。そうすると、自動で文字起こしがされ、その内容が、記録の道具やAIにつながる、というものです。僕の言葉でいえば「とりあえず行ってレコーダー回すだけ」です。背景にあった悩みは、現場の記録や、揉め事の原因が残らないことでした。ボタンを1つ押すだけで、録音から回収まで終わる形にできれば、現場の負担は増えません。

録音を、案件に紐づけて残す

2025年の12月9日には、解体業向けの連携を「8割できた」と話しています。録音の文字起こしを記録の道具に送り、さらに顧客管理の仕組みで、商談や案件に紐づけて記録する流れです。現場はそれまでExcelで管理しており、リアルタイムに状況が分かりませんでした。ただ、現場に本当に必要なのは、即時性そのものよりも、いま困っていることが解決することだと整理しました。

自分の営業の日報の代わりにする

2026年の6月、僕は自分の仕事でも、同じことを始めました。Pixelの無料のレコーダーで、商談などを録音し、文字にして保存します。それを営業日報の代わりにしたのです。お客様とのやり取りを、全部頭で覚えておくのは限界があります。僕の言葉でいえば、忘れていいような環境を作るために、まずは録音する、ということです。音声の認識精度が高いことと、月々の課金がいらないことも、選んだ理由でした。

自分の会社で始める手順

1. 録音する場面を、1つだけ決める

商談、現場の打合せ、お客様への電話。まず1つの場面に絞ります。全部を録ろうとすると、続きません。

2. 録音のボタンを、押す習慣を作る

話し始める前に、録音のボタンを押す。そう決めておきます。最初のうちは、押し忘れが起きます。机の上に「録音」と書いた紙を貼るのも効きます。

3. 文字にして、保存する

録音が終わったら、文字起こしをして、日付とお客様の名前をつけて保存します。この名前のつけ方を決めておくと、後で探せます。

4. 見返すのは、必要なときだけ

保存した文字を、毎日読み返す必要はありません。「あの件、どうなっていたか」と思ったときに探せる状態にしておくことが目的です。

道具は、環境に合わせて選ぶ

僕は2025年の12月、打合せ相手に文字起こしの道具を勧めたとき、AndroidならGoogleレコーダーがすごい、と評価しました。音が良く、文字起こしまでできるからです。一方で、iPhoneとAndroidでは、最適な道具が違います。自分が使っているスマホで、無理なく使えるものを選んでください。最初は無料の範囲で試して、続くようなら次の道具を考えれば十分です。

録音の後に、見直す項目を決める

録音は、残すことが目的ですが、見直す項目を決めておくと、さらに役に立ちます。決めておくとよいのは、約束した内容、期限、次にやること、の3点です。文字になった記録から、この3点だけを抜き出して、別のメモにまとめておきます。長い文字を全部読み返さなくても、約束を落とさずに済みます。

現場に広げるときの、気づかい

現場の人に録音をお願いするときは、「監視ではなく、困ったときに役立てるため」と伝えるのがおすすめです。録音されると、緊張する人もいます。目的をはっきり伝えて、録音を使う範囲を決めておくと、安心して協力してもらえます。

よくある疑問:文字起こしの間違いが気になります

文字起こしには、誤変換があります。文字起こしでは、固有名詞や数字が特に間違いやすいです。全部を直そうとすると疲れるので、後で使う部分だけを直す、と割り切るのがおすすめです。日付、金額、相手の名前の3つは、元の録音を聞いて確かめる。それ以外は、意味が通じればよい、という線引きで十分です。

録音を、続けるための小さな工夫

録音は、続けることに価値があります。スマホの1画面目に、録音の道具を置いておく。商談のカレンダーの予定に「録音」と書き添えておく。こうした小さな工夫で、押し忘れが減ります。最初の1か月は、全部の商談でなくても構いません。続けられる頻度から始めてください。

気をつけること

録音の前には、相手に伝えて、了承を得てください。とくに、お客様や取引先との会話は、録音してよいかを先に確認するのがおすすめです。また、文字起こしの内容には、個人情報や、取引の秘密が含まれます。保存先と、見られる人を決めておきます。誤変換もあるので、重要な数字や固有名詞は、元の録音を聞いて確かめてください。

今から始める社長へ

記録を残すために、完璧な仕組みはいりません。まずは、次の商談か打合せを1回、録音してみてください。それが、覚えておかなくていい環境の、最初の一歩になります。