場面4「やったことを、残して引き継ぐとき」 13/27本目
関係者とのやりとりが散らばる時は、相手ごとの記録を1か所に集める
教科書でいうと → 第7章「会社の第2の脳」(解説動画つき)
あの件、誰とどこまで話したんだっけ。メール、電話、チャット、打合せ。やりとりがあちこちに散らばっていて、思い出すのに時間がかかる。気づけば、大事な話がどこにも記録されていない。この記事では、僕が2026年の8月に、関係者とのやりとりを相手ごとの記録に集めた体験と、社長が今日から始められる手順を書きます。
1か月分のやりとりが、記録されていなかった
2026年の8月の終わり、あることに気づきました。関係者とのやりとりが、1か月分、どこにも記録されていなかったのです。話はしている。メールも送っている。でも、相手ごとにまとまった記録がない。後から「何を話したか」を確かめようとしても、探す場所が多すぎました。
集めること自体が、社長を楽にする
そこで、過去1か月をさかのぼって、相手ごとの記録にやりとりを書き込みました。使ったのは、顧客管理の道具の、相手ごとの欄です。1人の相手について、いつ、何を話し、何が決まったかを、1か所にまとめました。まとめてみて、気づいたことがあります。記録を集めることそのものが、社長をとても楽にするということです。そのとき僕は、相手ごとの記録に集めることができたら、社長はすごく楽なんだ、と話しています。そして、これは自分のためだけでなく、お客様に届けられる価値にもなると気づきました。
分かったのは、記録は「探す場所が1つ」であることに価値があるということ
この経験で分かったのは、記録の価値は、量ではなく、探す場所が1つであることにあるということです。
- やりとりが散らばっていると、探すだけで時間がかかる
- 相手ごとに1か所にまとまっていれば、開けばすぐに分かる
- AIに経緯を渡す時も、その1か所を渡せば済む
記録がまとまっていると、自分だけでなく、社員やAIも同じ経緯を見られます。
今日から真似できる手順
1. 相手ごとの記録の置き場を、1つ決める
まず、相手ごとの記録を置く場所を1つ決めます。顧客管理の道具でも、表でも、ノートでも構いません。大事なのは、1つに決めることです。
2. 直近1か月のやりとりを、さかのぼって集める
次に、直近1か月のやりとりを、相手ごとに集めます。メール、チャット、打合せのメモ。それぞれから、日付、何を話したか、何が決まったかを書き出します。この作業は、AIに手伝ってもらえます。メールの束を渡して「相手ごとに、日付と要点を一覧にして」と頼めば、下書きが出ます。
3. 1件1行で、要点だけを書く
記録は、1件につき1行で書きます。「10月1日 電話 来月の打合せの日程を15日に決定」のように、日付、手段、要点です。長い文章で書くと、後で読むのが大変になります。
4. これからは、その日のうちに書く
さかのぼって集めた後は、新しいやりとりを、その日のうちに書くようにします。1日の終わりに、その日やりとりした相手の記録に1行ずつ足す。それだけで、記録が散らばらなくなります。
AIに記録を書かせる
その日のうちに書くのが難しい時は、AIに書かせます。打合せの録音を文字にした物や、メールのやりとりを渡して、「この相手の記録に足す1行を作って」と頼みます。社長は、出てきた1行を確かめて、記録に入れるだけです。
記録がまとまると、AIへの頼み方も変わる
相手ごとの記録がまとまると、AIへの頼み方も楽になります。「この相手の記録を読んで、次の打合せで確かめることを挙げて」と頼むだけで、経緯を踏まえた答えが返ってきます。記録が散らばっていた頃は、毎回、経緯を自分で説明していました。記録を集めることは、AIに仕事を任せるための土台づくりでもあります。
記録に残す時の決まりごと
記録に残す時は、「決まったこと」と「相手が気にしていること」の2つを特に意識します。決まったことは、後で「言った、言わない」にならないために残します。相手が気にしていることは、次に話す時の手がかりになります。「納期を気にしていた」「見た目より使いやすさを重視」のような一言です。この2つが残っていると、久しぶりに連絡する相手でも、話をすぐに続けられます。
記録が役に立つ場面
記録が集まっていると、役に立つ場面はいくつもあります。久しぶりに連絡が来た相手でも、記録を開けば、前回どこまで話したかがすぐに分かります。社員に仕事を引き継ぐ時も、記録を見せれば、経緯の説明が短く済みます。
気をつけること
相手ごとの記録には、個人の情報が入ります。誰が見てよいかを決めて、見られる人を絞ってください。AIに過去のやりとりを渡す時は、渡してよい範囲を先に確かめてください。また、さかのぼって集める時、全部を完璧にそろえようとしなくて構いません。大事な相手から順に集めれば十分です。
今から始める社長へ
やりとりが散らばっていると、思い出すたびに時間を失います。まずは、一番やりとりの多い相手を1人選び、直近1か月のやりとりを1か所に集めてみてください。その1人分の記録ができた時、集めることの楽さが分かるはずです。