場面1「AIの道具を入れて、使い始めるとき」 12/27本目
ネットのAIが話を覚えきれない時は、パソコンの中のファイルを読ませる
教科書でいうと → 第7章「会社の第2の脳」(解説動画つき)
AIに会社のことを説明して、仕事を頼む。でも、次の日にはまた最初から説明し直し。資料をたくさん渡すと、途中から話を取り違える。この記事では、僕が2026年の2月に講座で話した「パソコンの中のファイルをAIに読ませる」使い方と、社長が始めるための手順を書きます。
ネットのAIは、文脈を持ちきれない
2026年の2月、ある講座で、Obsidianというノートの道具の使い方を説明しました。僕が困っていたのは、ネットの上で使うAIの、覚えておける量が小さいことでした。長い経緯や、たくさんの資料を渡すと、途中から話を持ちきれなくなります。きっかけは、買った教材の中にあった、初期のファイルのダウンロードの案内です。そこからノートの道具に組み込んで使い始めました。Obsidianは、パソコンの中にあるノートです。パソコンの中にあるので安全で、10GBでも100GBでも持てます。そして、Antigravityという、パソコンの中のファイルを読み書きできるAIが、そこを見に行ける。これが一番の特徴でした。
理解するのに、時間がかかった
正直に言うと、ここを理解するのに僕は時間がかかりました。「ローカルのファイルが使える」と聞いても、最初は何がうれしいのか分かりませんでした。分かったのは、使い続けてからです。お客様のことをノートに書いておくと、AIが「初めまして」から入りません。背景の説明が要らなくなるのです。講座でも「ここを理解するのに、僕は時間がかかってる」と正直に話しました。
分かったのは、記憶をAIに持たせずに、ファイルに持たせるということ
この使い方で分かったのは、AIに覚えてもらおうとするのではなく、ファイルに書いて置いておくということです。
- AIの記憶は小さく、会話が終わると消える
- パソコンの中のファイルは、大きく、消えない
AIには、必要な時にファイルを読みに行かせればいい。覚えておく役はファイル、考える役はAI。分けると、AIの記憶の小ささが気にならなくなります。
今日から真似できる手順
1. パソコンの中に、仕事用のフォルダを1つ作る
まず、パソコンの中に仕事用のフォルダを1つ作ります。その中に、お客様ごと、案件ごとのフォルダを作ります。最初から全部を入れようとせず、今動いている案件1つから始めます。
2. 案件のことを、文字のファイルで書いておく
案件のフォルダに、その案件のことを文字のファイルで書いておきます。お客様の会社の概要、これまでの経緯、決まったこと、残っていること。メモの形で構いません。打合せの記録を文字にした物も入れておきます。
3. ファイルを読めるAIに、フォルダを指して頼む
パソコンの中のファイルを読めるAIに、「このフォルダを読んでから、提案書の下書きを作って」と頼みます。フォルダを指すだけで、AIは中身を読んで、経緯を踏まえた下書きを出してきます。
4. 決まったことは、その都度ファイルに足す
打合せで決まったことは、その日のうちにファイルに書き足します。AIに「今日の話で決まったことを、このファイルに追記して」と頼んでも構いません。ファイルが育つほど、次に頼む時の説明が減っていきます。
量を気にしなくていい
ネットのAIに資料を渡す時は、量を気にしていました。多すぎると読みきれないからです。パソコンの中に置く形なら、量はほとんど気になりません。AIは、必要な所を探して読みます。僕は、本や録音の文字、過去の原稿まで入れています。量が増えるほど、AIが拾える材料が増えます。
ネットのAIと、どう使い分けるか
ネットのAIをやめたわけではありません。ちょっとした調べ物や、短い相談は、ネットのAIの方が手軽です。長い経緯を踏まえた仕事や、たくさんの資料を読ませる仕事は、パソコンの中のファイルを読めるAIに頼みます。使い分けの目安は、「前提の説明が3行で済むかどうか」です。3行で済まない仕事は、ファイルに書いて読ませた方が早く終わります。
始める前に決めておくこと
パソコンの中のファイルを読めるAIは、便利な分、どこまで読ませるかを決めておく必要があります。AIに読ませてよいフォルダを1つに決めて、その外に大事な物を置くと安心です。最初にこの線を引いておけば、後から迷うことがありません。
気をつけること
パソコンの中のファイルを読み書きできるAIは、大事なファイルを書き換えてしまうこともあります。大事なファイルは、控えを取っておいてください。お客様の個人情報をファイルに書く時は、どこまで書くかを決めておいてください。パソコンが壊れるとファイルも失われます。定期的に別の場所へ控えを取っておくと安心です。
今から始める社長へ
AIが話を覚えてくれないなら、覚える役をファイルに任せればいい。まずは、いま動いている案件を1つ選び、その経緯を1枚のファイルに書いてみてください。次にAIに頼む時、そのファイルを読ませるだけで、説明がぐっと短くなります。