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場面1「AIの道具を入れて、使い始めるとき」 13/27本目

AIの道具の導入で止まる人へ——使い方は覚えず、動画どおりに進める

新しいAIの道具を入れようとして、説明を読んでいるうちに疲れてしまったことはありませんか。説明は丁寧なのに長い。読み終わる前に、どこまで進んだか分からなくなる。受講生の皆さんも、導入の入口で止まっていました。案内した僕自身も、つまずいた一人です。この記事では、導入の途中で止まらないための進め方を書きます。

受講生が止まっていた場所

2026年の初め、僕は受講生に、Obsidian と Antigravity の導入を案内していました。受講生が止まっていたのは、Obsidian を入れるところや、渡したリンクがどこにあるのか分からないところでした。道具の使い方以前に、入口で手が止まっていたのです。

そこで僕が伝えたのは、まず最初に渡したPDFのリンクから、基本のフォルダを入れてください、ということでした。そして、もう一つ。使い方は覚えなくていい、と。そのときの僕の言葉は「オブシディアンの使い方別に覚える必要全然ない」です。

長い説明より、動画どおりに

教材の説明は丁寧です。けれど、長い。読んで理解してから手を動かそうとすると、そこで時間がかかります。それなら、動画を見ながら、画面のとおりに手を動かしてしまうほうが早い。僕はそう考えました。

導入の段階で大事なのは、道具を理解することではなく、動く状態にすることです。使い方は、動き始めてから、必要な場面で少しずつ分かっていけば足ります。

僕も保管庫を2つ作っていた

偉そうに案内していますが、僕自身も導入でつまずいています。動画の指示が分かりにくく、Obsidian の保管庫を2つ作ってしまったのです。

受講生にも、同じことが起きているかもしれません。だから、保管庫が2つできていたら、使っていないほうは消してください、と伝えました。間違えて増えた物は、消せば済みます。つまずいたら終わり、ではありません。

止まる理由は入口の迷子だった

案内をしてみて見えてきたのは、導入で止まる理由は、道具の難しさより、入口の迷子だということです。リンクがどこにあるか分からない。説明が長くて、今どこを読んでいるか分からない。動画の指示があいまいで、余分な物を作ってしまう。どれも、道具の使い方を知らないことが原因ではありません。だから、使い方を先に覚える必要は無いのです。入口の迷子は、置き場所を1つに決める、動画のとおりに手を動かす、余分な物は消す、という単純な決めごとで減らせます。

今日から真似できる、導入の進め方

ここからは、AIの道具を入れるときに真似できる手順です。画面の細かな見た目は変わっていくので、進め方の型として読んでください。

1. 最初に渡された物を1か所にまとめる

講座や社内で道具を入れるとき、最初に案内の資料やリンクが渡されます。それを、デスクトップに作ったフォルダ1つにまとめておきます。リンクの場所が分からなくなる、というつまずきは、これでかなり減ります。フォルダの名前は、道具の名前と日付にしておきます。メールやチャットで届いたリンクも、そのつどメモに貼ってこのフォルダに入れます。後から「あのリンクはどこだったか」とメールをさかのぼる時間が、まるごと無くなります。

2. 説明を読み込む前に、動画を開く

手順の動画があるなら、先に動画を開きます。動画を一時停止しながら、画面のとおりに1つずつ手を動かします。分からない言葉が出てきても、ひとまず先に進みます。意味を調べるのは、動いてからで間に合います。終わった場面ごとに、メモに一言「ここまで済んだ」と書いておくと、途中で手を離しても続きから再開できます。動画の速さに追いつけないときは、再生の速さを落として構いません。見ながら同じ速さで手を動かせることのほうが、早く終わらせることより大事です。

3. 止まったら、その画面を撮って聞く

動画と自分の画面が違って止まったら、自分の画面を撮ります。AIに「この動画のとおりに進めたいが、画面が違う。次に何を押せばいいか」と聞きます。講座なら、その写真を講師に送るのも一つの手です。どこで止まったかが一目で伝わります。撮るときは、動画の何分あたりで止まったかも一緒に書き添えます。聞かれた側が、同じ場面を開いて見比べられるからです。

4. できた物を確かめて、余分な物を消す

導入が終わったら、できた物を一度見渡します。フォルダや保管庫が2つできていないか、同じ名前の物が重なっていないかを確かめます。余分な物があれば、使っていないほうを消します。消す前に、中に自分で入れた物が無いかだけは見ておきます。迷ったら、消さずに名前の頭に「使わない」と付けて残しておけば、後から落ち着いて判断できます。

動画どおりに進めるときの落とし穴

落とし穴の一つ目は、動画が古いことがある点です。道具の画面は変わるので、動画と見た目が違う場面が出てきます。そのときは、ボタンの名前より、そこで何をしようとしているかを手がかりにしてください。二つ目は、使い方を覚えようとして手を止めてしまうことです。最初に覚えるのは、入れ方と、止まったときの聞き方だけで十分です。三つ目は、細切れの時間で進めることです。導入は、まとまった時間が取れる日に行うのがおすすめです。途中で中断すると、どこまで進んだかが分からなくなり、二重に作ってしまう原因になります。

今から始める社長へ

道具を入れる段階で、全部を分かろうとしなくて構いません。僕も保管庫を2つ作り、受講生も入口で止まっていました。止まるのは普通のことです。覚えるより、動かす。説明を読み切るより、動画のとおりに手を動かす。動き始めた道具は、使っているうちに、少しずつ自分の物になっていきます。