ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 9/49本目

AIの文章がよそよそしい時は、自分の書いた物を読ませて自分の口調にする

AIに文章を書かせると、言っていることは正しいのに、どこか自分の言葉ではない。お客様に出す文章としては、よそよそしい。結局、自分で書き直すことになって、時間が減らない。この記事では、僕が2026年の1月から続けている「自分の書いた物をAIに読ませて、自分の口調で書かせる」やり方と、社長が始めるための手順を書きます。

自分の文体が入った文章が出てきた

2026年の1月、Obsidianというノートの道具に、自分が書いてきた物と、スキャンした本を入れました。そして、パソコンの中のファイルを直接読めるAIのAntigravityに、そのノートを読ませて、ある業種向けのランディングページの文章を書かせました。出てきた文章を見て、驚きました。単なるAIの文ではなく、自分の文体が入った文章だったからです。「すごくない?しかも自分の文体とか」と声が出ました。セットアップには3日ほどかかりましたが、その価値はありました。

器はあっても、中身は自分で作るしかなかった

それまでの僕は、中身作りに苦労していました。使っていた顧客管理の道具は、ページやメールを作る器としては優秀です。でも、器なので、入れる中身の文章は自分で作らなければいけません。ブログをSNSに使い回すのも手作業で、毎回AIに一から指示するのは大変でした。そこで、保存しておきたい物を全部、パソコンの中のノートのファイルに入れて、AIに読ませることにしました。スキャンした本の文字も、文字にしたファイル(.txt)の名前の末尾を .md に変えるだけで、そのままノートに入れられることが分かりました。AIの口調ではなく、自分の口調、自分の文体で書ける。これが一番の変化でした。

前提を毎回教えなくてよくなった

3月には、このノートが約5GBの量になっていました。仕事ごと、お客様ごとにまとめたフォルダから、記事や提案書を書かせています。AIはもともと、会話が終わると覚えていられません。だから毎回、前提を教える必要がありました。今は「前の提案書の調子で、次も書いて」と言うだけで下書きが出ます。部下に任せる感覚に近くなりました。「前提条件を教える必要がどんどんなくなるわけ」。そのころの僕の言葉です。これが本当に楽でした。

今日から真似できる手順

1. 自分が書いた物を、1か所に集める

まず、自分が書いた物を集めます。ブログ、メールマガジン、提案書、お客様へのお礼の手紙。量が多いほど、AIは口調をつかみやすくなります。パソコンの中の1つのフォルダにまとめておくと、AIに読ませやすくなります。

2. 話した物も、文字にして入れる

書いた物が少ない社長は、話した物を使います。打合せや講演の録音を文字にして、同じフォルダに入れます。話し言葉にも、その人らしい言い回しがよく出ます。

3. 書かせる時に、「この口調で」と示す

文章を頼む時は、「フォルダの中の文章と同じ口調で書いて」と伝えます。特に似せたい文章があれば、それを名指しします。「去年の秋のお礼の手紙と同じ調子で」のようにです。

4. 出てきた文を、少しだけ直して育てる

出てきた文章は、自分らしくない所だけ直します。直した文章もフォルダに戻しておきます。使うほど、自分らしい文章の見本が増えていきます。

フォルダは、仕事ごとに分けておく

文章の材料を入れるフォルダは、仕事ごと、お客様ごとに分けておくと使いやすくなります。「この取引先との打合せの記録」「この商品の説明の文章」とまとめておけば、AIに「このフォルダを読んで提案書を書いて」と、範囲を絞って頼めます。範囲を絞ると、関係のない話が混ざりにくくなります。

本を入れる時の注意

僕は持っている本をスキャンして、ノートに入れています。本の考え方を下敷きにしながら、自分の体験と混ぜて書かせると、自分だけの文章になります。ただし、本の文をそのまま書き写させてはいけません。考え方を借りて、言葉は自分の物にする。この線は守っています。

作家と編集者の分担にする

続けていくうちに、AIが書き、別のAIが厳しく読み、最後に自分が筆を入れる形が一番良いと分かりました。書く役のAIは、自分の口調で下書きを作ります。読む役のAIは、分かりにくい所や事実の怪しい所を指摘します。自分は、両方を見て最後に整えます。作家と編集者の関係に近い分担です。1つのAIに書かせて読ませるより、役を分けた方が、仕上がりが落ち着きます。

気をつけること

パソコンの中のファイルを読めるAIは、読ませてよい範囲を決めてから使ってください。お客様の大事な情報が入ったフォルダまで、無制限に見せないようにします。本や他人の文章を入れる時は、自分の勉強のための利用にとどめ、文章をそのまま外に出さないでください。また、AIが自分の口調で書いた文でも、中身の事実は自分で確かめてから出してください。

今から始める社長へ

AIの文章がよそよそしいのは、あなたの文章をまだ知らないからです。まずは、これまで書いた文章を10本、1つのフォルダに集めてみてください。それをAIに読ませた日から、下書きの手直しが少しずつ減っていきます。