ニタ|ひとり社長の軽トラDX

家 › AI家庭教師の部屋 › 第13章 › 記事

場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 3/49本目

AIの答えが行き止まりの時は「他に方法はないか」と聞き直すコツ

AIに相談して、言われたとおりに調べたら「それはできない」と分かった。そこで手が止まって、もう無理かとあきらめかけたことはありませんか。僕も、最初に考えた案が行き止まりになったことがあります。そのとき救ってくれたのは、AIにもう一度「他に方法ないか」と聞き直すことでした。この記事では、その体験と、行き止まりで使える聞き直し方を書きます。

英語のメニューを日本語にしたかった

2025年の夏、僕はゴーハイレベルという海外の顧客管理の道具を使っていました。困っていたのは、画面が英語で使いにくいことです。メニューの一つひとつが英語なので、慣れていない人にはどこに何があるか分かりません。

そこで考えたのが、APIを使ってメニューを日本語にする方法でした。APIは、外から道具を操作するための入口のようなものです。これで画面の言葉を差し替えられれば、と思って進めました。

最初の案は行き止まり、聞き直して道が開けた

ところが、調べていくと、API自体がすべての機能に対応しているわけではないと分かりました。全部の機能をAPIで扱えないなら、メニューを日本語にする案はそこで止まります。

ここで僕は、AIにもう一度相談しました。聞いたのは、「他に方法ないか」ということです。返ってきたのが、ブラウザの拡張機能で画面を訳す案でした。

このとき、自分の中で整理できたことがあります。僕がやりたいのは、APIを使うことではなく、画面を日本語にすることだけだった。目的がそこだと分かると、APIにこだわる理由はなくなります。

その後、Tampermonkeyというブラウザの拡張機能を使って、英語のメニューを日本語にできました。拡張機能とコードを組み合わせると、画面の見た目だけを訳せる。これが分かったのは大きかったです。そのときの僕の言葉は、こうです。「これだけでもだいぶ違うでしょ」

日本のお客様に見せられる画面になり、その先では、APIでLINEとつなぐ実験まで進みました。最初の案で止まっていたら、ここまで来られなかったと思います。

何が分かったか

AIの答えが行き止まりになったとき、止まっているのは「その方法」であって、「やりたいこと」ではありません。僕の場合、APIで日本語にする方法は行き止まりでした。けれど、画面を日本語にしたいという目的は、別の道で叶いました。

AIは、最初に聞かれた方法の中で答えを探します。だから、方法を指定して聞くと、その方法がだめなときに一緒に止まってしまう。目的に戻って聞き直すと、AIは別の道を探し始めます。

これは、人に相談するときも同じです。「この部品はどこで売っていますか」と聞けば、相手は部品の売り場を探します。「この棚を直したい」と聞けば、部品を替える以外の直し方も教えてくれるかもしれません。AIへの相談も、方法ではなく目的を渡したほうが、答えの幅が広がります。

今日から真似できる手順

ここからは、AIの答えが行き止まりになったときの聞き直し方です。道具ごとの画面は変わるので、考え方を中心に書きます。

1. やりたいことを、方法抜きで一文にする

まず、自分が本当にやりたいことを一文で書きます。「APIでメニューを訳したい」ではなく、「英語の画面を日本語で使いたい」のように、方法を外した形にします。この一文が、聞き直しの土台になります。

2. 行き止まりになった理由を、そのまま伝える

次に、AIに行き止まりの理由を伝えます。「この方法は、全部の機能に対応していなくてできなかった」と、分かったことをそのまま書きます。理由が分かると、AIは同じ道をもう一度すすめてこなくなります。どこまで試したかも一緒に書いておきます。試した手順や、出てきた画面の文言をそのまま貼ると、AIが状況をつかみやすくなります。

3. 「他に方法はないか」と、複数の案を求める

そのうえで、他の方法を聞きます。例えば、次のように頼みます。

  • 「目的はこの一文です。さっきの方法は使えませんでした。他に方法はありますか。3つ挙げて、それぞれの手間と注意点を書いてください」
  • 「専門の知識がない社長でも試せる順に並べてください」

案を並べてもらうと、自分の手に負えるものを選べます。

4. 小さく試して、効いたら広げる

選んだ案は、まず小さく試します。メニューの一部だけ、画面の1枚だけ、というように範囲を絞ります。うまくいったら、少しずつ広げていきます。試した結果は、うまくいかなかった案も含めてメモに残しておくと、次に同じ壁にぶつかっても迷いません。

気をつけること

AIが出してくる別の案の中には、自分の会社には合わない物も混じります。拡張機能やコードを使う案なら、入れる前に、どこの誰が作った物か、何をする物かを確かめます。分からなければ、それもAIに「この拡張機能を入れるときの注意点は」と聞けます。会社のパソコンに入れるなら、社内で誰が何を入れたかを残しておくと、後で困ったときにたどれます。お客様の情報を扱う画面で使う物なら、なおさらです。

それから、聞き直しを何度も重ねて、話がこんがらがってきたら、新しい会話で始め直すのも手です。手順1の一文と、行き止まりの理由だけを最初に書けば、すっきりした状態でまた考えてくれます。

今から始める社長へ

AIに「できません」と言われると、自分の頼み方が悪かったのかと落ち込みがちです。でも、行き止まりは、その方法がだめだったという情報にすぎません。目的に戻って、もう一度聞く。この一手を覚えておくと、英語の画面でも、慣れない道具でも、AIとの相談は止まる場所ではなく、道を探す場所に変わります。