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場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 2/31本目

AIの検索で自社が「廃業した」と答えられていた。社長ができる備え

お客様が、AIにあなたの会社のことを聞いたとします。そのとき、AIは何と答えているでしょうか。営業しているのに「もう閉まっています」と答えていたら。考えたくないことですが、実際に起きています。この記事では、僕が2025年の9月に見つけた出来事と、社長が今日からできる確かめ方と備えを書きます。

営業中の会社が「廃業した」と書かれていた

2025年の9月、知り合いの会社のことを、AIの検索で調べてみました。すると、回答の中で、その会社が「廃業した」と書かれていました。もちろん、その会社は普通に営業しています。念のため、ChatGPTでも聞いてみました。同じでした。調べていくと、理由が見えてきました。その会社については、会社自身が出している文章よりも、中傷の書き込みの方が多かったのです。AIは、ネット上にある文章から答えを作ります。会社自身の言葉が少ないと、数の多い書き込みの方を学んでしまいます。そのとき僕が口にしたのは「そっちは真実になっちゃう」という言葉でした。

分かったのは、黙っていると他人の言葉が答えになるということ

この出来事で分かったのは、自社のことを自社の言葉で出していないと、AIにとっては他人の書き込みが「真実」になるということです。

  • 自社の発信が少ない、AIは少ない材料で答えを作る
  • 古い情報や中傷が多い、それがそのまま答えに混ざる

昔の検索なら、公式のホームページが一番上に出ていれば安心でした。AIの答えは、いくつもの文章を混ぜて1つの文にします。どの文章から来た話なのかが、読む人には見えにくくなっています。

今日から真似できる手順

1. 自社のことを、いくつかのAIに聞いてみる

まず、自分の会社の名前と地域を入れて、いくつかのAIに聞いてみます。「この会社は何をしている会社ですか」「今も営業していますか」「評判はどうですか」。お客様が聞きそうな質問をそのまま投げます。1つのAIだけでなく、2つか3つに聞くと、答えの違いも見えます。

2. 間違っている所を書き出す

答えの中で、事実と違う所を書き出します。営業時間、場所、扱っている商品、代表者の名前、営業しているかどうか。小さな違いも書き出します。どの質問でどう間違えたかを残しておくと、あとで同じ質問をして変化を確かめられます。

3. 正しいことを、自社の言葉で出す

間違いを直すために一番効くのは、正しいことを自社の言葉で出し続けることです。ホームページのお知らせ、地図の店舗情報の投稿、SNSでの文章の発信。写真だけでなく、文字で出すことが大事です。AIは文字を読んで答えを作るからです。「今月も通常どおり営業しています」という一文でも、出さないよりずっと良いです。

4. 今のお客様とのやりとりを増やす

もう1つ効くのは、今のお客様とのやりとりを密にすることです。感想や口コミを書いてもらえるお客様が増えれば、会社について書かれた良い文章が増えていきます。特別なことではなく、日頃のお礼や、困りごとを聞く連絡から始められます。

確かめる習慣を、月に1回にする

AIの答えは、日によって変わります。一度確かめて終わりにせず、月に1回、同じ質問をしてみるのがおすすめです。質問の文は毎回同じにしておきます。そうすると、答えが良くなったのか悪くなったのかが比べられます。社内で担当を決めておけば、社長が自分でやらなくても続けられます。

文字で出す量が、答えを変える

僕がこの出来事のあとで考えを変えたのは、文字で発信することの意味です。それまでは、発信はお客様を集めるためのものだと思っていました。今は、AIに自社を正しく答えてもらうための備えでもあると考えています。社長が話したことを文字にしてAIに整えさせれば、発信の文章は無理なく増やせます。自社のことを一番知っているのは自社です。その言葉が少ないままだと、知らない誰かの言葉が代わりに使われます。

質問に使う文の例

自社のことをAIに聞く時は、次のような文が使えます。「(地域名)の(会社名)について教えてください。何をしている会社か、今も営業しているか、どんな評判があるかを、出どころと一緒に答えてください」。出どころを求めると、AIがどの文章を元に答えているのかが少し見えます。古い記事や、誰かの書き込みが出どころになっていれば、そこが直すべき場所の手がかりになります。同じ文で、お客様の目線の質問も1つ足します。「(地域名)で(業種)を探しています。おすすめはどこですか」。ここで自社の名前が出てくるかどうかも、月に1回の確かめに入れておきます。

気をつけること

AIの答えに間違いがあっても、すぐに直る仕組みはありません。発信を増やしても、答えが変わるまでには時間がかかります。中傷の書き込みそのものへの対応は、内容によっては法律の専門家に相談が必要です。自分だけで相手とやりとりしないでください。また、AIに自社のことを聞く時に、社外に出していない情報を質問に入れないように気をつけてください。

今から始める社長へ

お客様は、もう検索だけでなくAIにも聞いています。まずは今日、自分の会社の名前でAIに「今も営業していますか」と聞いてみてください。その答えが、これから発信する理由になります。