場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 1/31本目
英語の口コミで「大丈夫」と言われても、公式サポートで確かめる手順
教科書でいうと → 第6章「調べ物でだまされない」(解説動画つき)
海外の道具を使っていて、分からないことをネットで調べたことはありませんか。公式の説明も英語、利用者のコミュニティも英語。やっと見つけた答えが「それで大丈夫だよ」なら、ほっとして進めたくなります。僕も、ゴーハイレベルという海外の顧客管理の道具を使い始めた頃、まさにそうやって進めていました。この記事では、そのとき口コミを信じて痛い目にあいかけた話と、公式で確かめるための手順を書きます。
英語のコミュニティで「いいよ」と言われた
2025年の夏のことです。ゴーハイレベルで、自社の独自ドメインを使う方法について迷っていました。当時いちばん困っていたのは、公式の情報もコミュニティも全部英語だったことです。調べるだけで時間がかかり、答えにたどり着くまでが長い。
そこで英語の利用者コミュニティで聞いてみると、そのやり方で「いいよ」という返事が返ってきました。利用者同士で教え合う場所ですから、実際に使っている人の声です。僕はそれを信じて、作業を進めました。
3回目のメールで返ってきた答え
その後、公式のサポートにもメールで確認しました。すぐに答えが出たわけではありません。3回目にサポートへメールしたところで、ようやくはっきりしました。
返ってきたのは、こういう答えでした。「ダメです。つって今すぐ取り消してください」コミュニティで聞いた話と、正反対です。僕は言われたとおり、進めていたことを取り消しました。
何が分かったか
この件で分かったのは、英語の口コミより、公式のサポートで確かめるほうが先だということです。
コミュニティの答えが、いつも間違っているわけではありません。ただ、答えてくれる人は、自分の使い方や自分の契約の範囲で話しています。こちらの使い方がその人と同じとは限りません。しかも、道具の決まりは途中で変わることがあります。口コミは道を探すための地図にはなっても、進んでいいかどうかの許可にはならない。英語だと、なおさら「答えが見つかった」ことに安心してしまい、その答えが誰の言葉なのかを見落としがちです。
日本の道具なら、電話で聞けば済む話かもしれません。海外の道具だと、窓口に聞くこと自体が面倒に感じて、つい口コミで済ませたくなります。でも、取り消すことになったときの手間を考えれば、先に聞いておくほうがずっと軽く済みます。
今日から真似できる手順
ここからは、海外の道具で同じ場面に出会ったときの手順です。道具の画面や窓口の場所は変わるので、考え方を中心に書きます。
1. 口コミで見つけた答えを、日本語で書き出す
コミュニティやブログで答えを見つけたら、まず日本語で1〜2行にまとめます。「独自ドメインを、この使い方で使ってよいか」のように、何をしてよいかという形にします。AIに英文を貼って「この返事を日本語で短くまとめて」と頼むと早いです。
2. 公式の窓口に、その文を英語で送る
まとめた文を、AIに英語へ直してもらい、公式のサポートへ送ります。聞き方は「この使い方は規約上も仕組みの上も問題ないか」と、はいかいいえで答えられる形にすると、返事が具体的になります。自分の契約の種類や、どの画面で何をしようとしているかも一緒に書きます。コミュニティでこう言われた、という一文を添えるのも手です。サポート側も、どこで誤解が生まれたかを見て答えてくれやすくなります。
AIへの頼み方の例も置いておきます。
- 「次の日本語を、海外のサポート窓口に送る丁寧な英語のメールにしてください。最後に、はいかいいえで答えてほしいと一文入れてください」
- 「英語にした文を、もう一度日本語に訳し直して見せてください」
2つ目の頼み方は、英語にしたときに意味がずれていないかを自分で確かめるためのものです。英語に自信がなくても、日本語に戻した文を読めば、伝えたいことが入っているか分かります。
3. 返事が曖昧なら、もう一度聞く
一度で答えが出ないことはよくあります。僕も3回目のメールでやっと分かりました。返事が一般論だったら、「では、この使い方は避けるべきか」と、言い方を変えて聞き直します。返事の英文はAIに訳してもらい、結論が「してよい」なのか「してはいけない」なのかを、はっきり確かめます。
4. 公式の返事を、日付つきで残す
答えが出たら、その返事をメモやフォルダに残します。いつ、誰に、何を聞いて、何と言われたか。後で同じことで迷ったときや、社員に任せるときに、その記録が判断の根拠になります。
気をつけること
いちばん気をつけたいのは、公式の確認より先に本番の設定を進めてしまうことです。確認が取れるまでは、試すなら影響の小さい範囲にとどめておきます。取り消しが必要になったとき、元に戻す手間が小さくて済みます。進める前に、今の設定の画面を写しておくのもおすすめです。取り消すときに、どこを元に戻せばいいかがすぐ分かります。
もう一つは、問い合わせの文に、お客様の名前や連絡先を入れないことです。聞きたいのは使い方の可否なので、個人の情報は要りません。AIに英文を作ってもらうときも同じで、貼る前に名前や番号を消しておきます。
今から始める社長へ
英語の壁があると、答えが見つかった時点で安心してしまいます。けれど、本当に確かめるべきは、その答えを出したのが誰かです。口コミで道を探し、公式で許可を取る。この順番を覚えておくだけで、取り消しの手間はぐっと減ります。英語のメールも、今はAIが手伝ってくれます。公式に聞く一手間を、面倒がらずに挟んでください。その一通が、後で取り消しに追われる時間を先に買っておくことになります。