ニタ|ひとり社長の軽トラDX

家 › AI家庭教師の部屋 › 第15章 › 記事

場面6「AIに任せる範囲を、決めていくとき」 13/36本目

まとめ役のAIが現場の作業まで始めると全体が止まる。会話と差配に絞らせた

AIを何体も使っていると、全体をまとめる役のAIが必要になります。ところが、そのまとめ役が、現場の作業にまで手を出し始めると、思わぬことが起きます。僕は、2026年の8月に、これで作業が止まりました。この記事では、まとめ役の仕事を絞った経緯と、社長が真似できる役割の決め方を書きます。

まとめ役が現場に入ると、連鎖して止まる

2026年の8月23日、僕は、まとめ役のAIの仕事を、「僕との会話と、作業の差配のみ」と定義しました。きっかけは、まとめ役が現場に入ると、作業が連鎖して止まることでした。まとめ役が作業をしている間は、僕との会話が止まります。会話が止まると、他の作業への指示も止まります。すると、全体が止まっていきます。

このとき、もう1つ分かったことがあります。まとめ役の返事が、3分以上ないときは、何か問題が起きている、ということです。普段なら数秒で返ってくる返事が来ないのは、現場の作業に手を取られているサインでした。

その結果、管理役と作業役が、はっきり分かれました。まとめ役は、作業をせず、会話と差配だけをします。

役割を分けると、止まらなくなる

分かったのは、まとめる人が現場に入ると、全体を見渡す目が失われる、ということです。社長が現場作業に没頭すると、会社全体が見えなくなるのと、同じです。

今日から真似できる手順

人にもAIにも使える、考え方を書きます。

1. 役割を、2つに分ける

AIの仕事を、「全体をまとめる役」と「現場で作業する役」に分けます。1つのAIに両方を持たせないことが、出発点です。

2. まとめ役の仕事を、決める

まとめ役は、「僕と話す」「作業を割り振る」「進み具合を見る」の3つだけにします。作業を頼まれたら、自分でやらず、作業役に回すよう伝えます。

3. 返事が遅い時の、合図にする

まとめ役の返事が、いつもより遅いときは、何か手を取られているサインです。「3分返事がなかったら、様子を確かめる」のように、目安を決めておきます。

4. 作業役は、報告だけを返す

作業役は、終わったら、結果を短く報告します。まとめ役は、その報告を読んで、次の指示を出します。報告の形をそろえておくと、まとめ役の負担が減ります。

まとめ役に、やらせないこと

まとめ役に頼みたくなる誘惑は、強いものです。「ちょっとだけ、これもやって」と頼むと、会話のたびに役割が崩れていきます。やらせないことを、先に決めておきます。資料の作成、データの変換、長い調査は、作業役の仕事です。まとめ役が作業を始めようとしたら、「それは作業役に回して」と一言伝えます。この一言を設定に書いておけば、守ってもらえます。

小さな会社での、使いどころ

この考え方は、社長自身にも当てはまります。社長が現場の作業に入ると、判断が必要なときに、返事ができなくなります。スタッフが待たされ、作業が止まります。社長は、判断と差配に集中し、作業はスタッフやAIに任せる。そのほうが、会社全体が、止まらずに回ります。AIの役割を決める練習は、自分の役割を見直すきっかけにもなります。

まとめ役の、報告の受け方

作業役からの報告は、決まった形にすると、まとめ役が読みやすくなります。たとえば、「やったこと」「結果」「困っていること」の3行です。長い説明は、いらないのです。困っていることが書かれていたときだけ、まとめ役が動けばよいので、普段は報告を流し読みで済みます。報告が長いと、まとめ役が読むだけで時間を使い、肝心の差配が遅れます。報告の形を決めておくことが、まとめ役を軽くする近道です。

人の会社に置き換えると

同じ構造は、人の会社にもあります。社長が現場に出ると、スタッフが指示を待って止まります。現場のリーダーが、全体の調整に追われると、自分の作業が遅れます。役割をはっきり分けておくと、誰が何に集中するかが決まり、全体が滑らかに回ります。AIの役割を決める作業は、会社の役割の分け方を見直す練習にもなります。

役割を決めた後の、見直し

役割の分け方は、一度決めて終わりではありません。1か月ほど運転したら、見直します。まとめ役が忙しすぎないか、作業役が待たされていないかを、記録から確かめます。偏りが見つかったら、役割の線を少し動かします。仕組みは、使いながら整えていくものです。

気をつけること

まとめ役を作業から外すと、連絡の手間が増えます。作業役への指示を、できるだけ具体的に書いて、聞き返しを減らしてください。また、まとめ役が1つしかないと、そこが止まったとき全体が止まります。まとめ役が止まったときの代わりの道も、考えておきます。

今から始める社長へ

AIに任せる範囲が広がったら、役割の分け方を見直す時期です。まとめる役と、作業する役を分ける。それだけで、全体の流れは安定します。まずは、いま使っているAIに、役割の名前を付けてみてください。