場面6「AIに任せる範囲を、決めていくとき」 14/36本目
無人で動かしているAIが画面で質問して止まっていた時の、決め方
教科書でいうと → 第15章「寝ている間に働くAI工場」(解説動画つき)
AIに任せて、安心して席を離れたのに、戻ってみたら何も進んでいなかった。そんな経験はありませんか。僕は、2026年の8月に、AIが画面で質問をして、そのまま止まっているのを見つけました。この記事では、そのときの経緯と、止まらないための決め方を書きます。
「どう処理しますか?」で止まっていた
2026年の8月23日、別のパソコンで動かしていたAIが、「どう処理しますか?」と画面で聞いたまま、止まっているのを見つけました。誰も見ていないパソコンでは、AIの質問に、答える人がいません。僕が偶然見つけたから、よかったのです。もし気づかなければ、何時間も何日も、止まったままだったかもしれません。
無人の機械は、人に聞いてはいけない
このとき分かったのは、無人で動かす仕組みは、人に聞いてはいけない、ということです。聞いて止まると、誰も見ていない時間は、仕事が進みません。そこで、2つの場合に分けて、AIの動きを決め直しました。
- 元に戻せることは、AIが自分で直して、進める
- 元に戻せないことだけ、止まって、僕に知らせる
今日から真似できる手順
画面や道具は変わるので、考え方を書きます。
1. AIが迷う場面を、書き出す
AIが「どうしますか」と聞いてきた場面を、思い出して書き出します。ファイルの上書き、同じ名前の保存、許可の確認など、よくある質問が見つかります。
2. それぞれ、戻せるかを分ける
質問ごとに、「間違えても戻せるか」を判定します。上書きなら、元のファイルを控えておけば戻せます。お客様への送信は、戻せません。
3. 戻せるものは、AIに任せる
戻せる質問には、「こうして進めてよい」と、前もって答えを伝えます。「上書きするときは、元の控えを作ってから進める」のような、決まりにします。
4. 戻せないものだけ、通知して止める
戻せない質問が来たときは、AIに、止まって僕に知らせるよう頼みます。知らせる先は、普段よく見る場所にします。
質問を、前もってつぶす
AIが止まる原因の多くは、前もって答えを伝えておけば防げる質問です。作業を頼む最初の指示に、「迷ったら、こう判断する」という方針を入れておきます。たとえば、「名前が重なったら、日付をつけて別名で保存する」「許可を求められたら、読み取りだけは許可する」と書いておきます。質問が出るたびに、その答えを方針に足していくと、次第に止まらなくなります。
止まっていたことに、気づく工夫
偶然に気づくのでは、頼りになりません。AIが一定時間、動きを止めたら、通知が来るようにしておきます。「30分、何も進まなければ、知らせる」のような決まりです。気づく仕組みがあれば、質問で止まっても、傷は小さく済みます。
通知の、設計の仕方
戻せない操作で止まるときは、AIが僕に知らせます。その知らせは、気づける形にしておく必要があります。普段よく開く場所に、短い文で届くのが理想です。「何を聞きたいのか」「待っている選択肢は何か」が、1行で分かれば、返事も早くなります。返事を待っている間に、AIが別の作業を進められるようにしておくと、全体が止まりません。
迷った時の、基本の線
AIが迷う場面は、数え切れません。全部を前もって決めておくのは、難しいものです。そこで、基本の線を1本引きます。「元に戻せないことは、止まって聞く。それ以外は、進める」です。この線があれば、初めての場面でも、AIは自分で判断できます。線が曖昧だと、AIは安全を優先して、何でも質問に回してしまいます。線は、できるだけ具体的な例と一緒に書いてください。
前もって答えを伝える、実例
僕が前もって決めた答えの例を、一般的な形で書きます。「同じ名前のファイルがあったら、元のファイルの名前に日付を付けて残してから、新しいものを保存する」。「読み取りだけの操作は、許可を求めずに進める」。「お客様に送る操作と、削除する操作は、いつも止まって知らせる」。このように、具体的な行動で書いておくと、AIは迷わずに動けます。
席を離れる前に、確かめること
AIに無人で任せる前に、1つだけ確かめます。「このAIは、途中で人に質問する可能性があるか」です。あるなら、前もって答えを伝えるか、質問が出たときに通知が来るようにします。この1つを確かめるだけで、戻ってきたら止まっていた、という事態は、ほとんど防げます。
気をつけること
「戻せるかどうか」の判定は、AIに任せきりにしないでください。判断に迷うものは、戻せないほうに分類して、止めます。また、前もって許可を広げすぎると、思わぬ操作をAIが進めてしまいます。許可は、必要な範囲に限ります。
今から始める社長へ
無人で動かすAIは、質問しないようにするのが、安全の基本です。戻せるものは進める。戻せないものだけ止める。この線引きを決めておくと、安心して席を離れられます。まずは、AIが過去に聞いてきた質問を、3つ思い出してみてください。