場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 13/40本目
AIのブラウザ操作が弾かれる時は、使える道具を見極めて手作業と組み合わせる
教科書でいうと → 第6章「調べ物でだまされない」(解説動画つき)
AIに、ブラウザの画面を操作してもらえれば、設定の作業は全部任せられる。そう期待して試してみると、画面の操作を弾かれて、動かないことがあります。僕は2026年の6月に、この壁にぶつかりました。この記事では、何が起きて、どう切り抜けたかと、今から始める社長がAIの限界にぶつかったときに手作業と組み合わせて進める手順を書きます。
記録をゴーハイレベルに残したかった
その頃、僕はAI取締役という役割をAIに持たせて、記録をゴーハイレベルに残そうとしていました。ゴーハイレベルをデータベースにして、顧客、タスク、プロジェクトの記録を、まとめて残したかったからです。クロードコード、マヌス、コーデックス、アンチグラビティだけでは、顧客やタスクやプロジェクトの管理が、完結しませんでした。
ところが、APIやMCPという接続の方法では、ワークフローが設定できませんでした。そこで、ブラウザの画面を、AIに操作させる方法を考えました。
ブラウザ操作は、2択に絞られた
ブラウザの操作は、AIの道具によって、できるものと、できないものがありました。コーデックスとアンチグラビティのブラウザ操作は、セキュリティで弾かれました。使えるのは、クロードのクローム操作と、マヌスの2つだけです。
その2つも、実用に耐えるものではありませんでした。クロードのブラウザ操作は、その日は不調でした。マヌスは、クレジットを大量に消費しました。そのとき口をついて出たのは、この言葉です。「ぐるぐるさせるとすごいクレジット消費するんですよ」
結局、手作業も併用して、進めることになりました。
「全部を任せる」を、いったん手放す
AIの道具が増えると、「どれかが全部やってくれるはず」と期待しがちです。けれど、実際には、接続の方法でできること、ブラウザ操作でできること、人の手でしかできないことが、混ざっています。今回の経験で分かったのは、1つの方法で全部をやろうとしないほうが、進みが早いということです。作業を小さく切って、それぞれに合う方法を割り当てます。この割り振りを考えるのが、社長の仕事になります。割り振りを決めておくと、道具が弾かれたときも、他の方法へすぐ移れます。
今日から真似できる手順
道具の仕様は変わります。AIに任せきれない作業を、手作業と組み合わせる進め方を、4つにまとめました。
1. 先に、できる方法を全部並べる
作業を始める前に、「接続の方法」「ブラウザの操作」「手作業」の3つを、候補として並べます。それぞれの方法で、何ができて、何ができないかを、書き出します。並べておくと、行き止まりにぶつかったときに、次の候補にすぐ移れます。
2. 小さな作業で、先に試す
大きな作業の前に、小さな操作を1つ、AIにやらせてみます。弾かれるか、動くか、どのくらいのクレジットを消費するかを、見ておきます。小さく試した結果で、使う方法を決めます。
3. 使えない道具に、粘りすぎない
ある道具が弾かれたら、そこで粘らず、次の道具に移ります。セキュリティによる制限は、設定で解除できる性質のものではないことが多く、時間をかけても進まないからです。
4. 手作業と、AIの助言を組み合わせる
AIに画面操作を任せられないなら、AIに手順を助言してもらい、自分が操作します。1つの作業を、AIの得意な部分と、人が担当する部分に、分けて進めます。
気をつけること
AIにブラウザを操作させる道具は、使うほど、クレジットを消費します。ぐるぐると同じ操作を繰り返す場面では、消費が一気に増えます。動きが止まっていないか、同じ画面に戻り続けていないかを見て、おかしければ止めてください。また、ログイン済みの画面をAIに操作させるときは、触ってはいけない画面が映らないよう、事前に整えておきます。
限界は、道具ごとに違う
AIの道具は、できることと、できないことが、それぞれ違います。今回のように、使える道具が2つに絞られることもあります。その2つも万能ではないので、手作業を組み合わせる前提で、段取りを組んでおくのが現実的です。限界を知っておくことは、AIを使いこなすための、大事な一部です。
手作業の時間を、見える形にする
手作業を併用すると、かかる時間が気になります。そこで、手作業にかかった時間を、メモに残します。1回5分の作業なら、月に何回あるかを掛けて、月に何時間かを計算します。時間が見えると、本当に自動化する価値のある作業と、手作業のままでよい作業を、見分けられます。月に1回しかやらない作業は、手作業のままで構いません。毎日やる作業から、優先して自動化を考えましょう。
今から始める社長へ
AIにブラウザを操作させたいと思ったら、まず小さな作業で試して、弾かれるかどうかを確かめてください。弾かれても、がっかりする必要はありません。手作業と助言の組み合わせで、十分に進められます。次にAIで設定を進める日に、「接続」「ブラウザ」「手作業」の3つの候補を、先に並べてみましょう。