ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 12/40本目

議事録の自動取り込みは急がず、今動いている形で手で貼る運用から始める

会議の議事録を、全部自動で整理してくれる仕組みを作りたい。そう考える社長は多いと思います。便利ですし、うまく動けば、手間は大きく減ります。僕も2026年の6月に、会議の文字起こしを、ゴーハイレベルへ自動で入れる実験をしていました。この記事では、その実験をしながら、お客様にはどう提案したかと、今から始める社長が自動化を進めるときの手順を書きます。

完全に自動にするには、上位の契約が必要だった

議事録の取り込みを、完全に自動化しようとすると、ひとつ問題がありました。文字起こしツールの、上位の契約が必要になることです。お客様に勧めるには、条件の壁が高くなります。

ただ、それだけが理由ではありません。僕が気になっていたのは、仕様の変化でした。そのときの言葉は、こうです。「仕様が変わったら動かないとかになるんで」

今動いている形のまま、手で貼る運用から入る

そこで、お客様には、まず、文字起こしを手で貼り付ける運用から始めることを提案しました。完全自動化は、仕様が変わると、動かなくなることがあります。それなら、今動いている形のまま、手で貼るところから入るほうが、確実です。

自動化の実験は、並行して進めていました。お客様の仕事を止めないことを、優先した判断でした。

手で貼る運用には、思った以上の良さがある

手で貼るというと、時代遅れの方法に聞こえるかもしれません。でも、手で貼る運用には、はっきりした良さがあります。まず、仕組みが単純なので、止まりにくいことです。道具の仕様が変わっても、貼る場所が変わらなければ、そのまま続けられます。次に、貼るときに、内容を自分の目で一度見ることです。自動だと素通りしてしまう間違いにも、気づけます。そして、始めるまでの準備が、ほとんど要りません。今日から使えるので、習慣が早く身につきます。自動化を考えるのは、この習慣ができたあとでも、遅くありません。

今日から真似できる手順

画面や仕様は変わります。自動化を急がず、安全に進める手順を4つにまとめました。

1. まず、手作業で流れを回す

自動化したい作業を、いったん手作業で、最後まで回してみます。議事録なら、文字起こしを貼り、要点をまとめ、保存する、という流れです。手で回せない流れは、自動にしても動きません。

2. 手作業の中で、いちばん面倒な所だけ見極める

手作業を数回やると、面倒な部分が見えてきます。その部分だけを、自動に置き換える候補にします。全部を一度に自動にせず、1か所ずつ置き換えるのがコツです。

3. 自動にする前に、仕様の変更に強いかを考える

使う道具が、仕様を変える可能性があるかを考えます。公式に提供されている機能なら、変更の予告もあります。非公式の方法は、突然動かなくなることがあります。仕様変更に弱いものは、手作業に戻せる形で組みます。

4. いつでも手作業に戻せる状態を保つ

自動の仕組みが止まったときに、すぐ手作業へ切り替えられるよう、手順を残しておきます。手作業のやり方を忘れてしまうと、止まったときに、仕事が止まります。

気をつけること

議事録には、お客様の名前や、社外に出せない話が含まれます。自動で取り込むときは、保存先と、見られる人の範囲を、先に決めます。また、AIに要約させる場合は、要約の中に、会議で話されていない内容が混ざっていないかを、確認してください。

自動化は、安定してから置き換える

自動化は、魅力的です。ですが、動き出してから止まる、というリスクがあります。お客様に提供する仕事なら、止まったときの影響は大きくなります。最初は手作業で確実に回し、自動化は、安定することを確かめてから、少しずつ広げる。遠回りに見えて、結果的に、いちばん安全で早い進め方です。

手で貼る作業を、少しだけ楽にする工夫

手で貼る運用を続けるなら、貼る作業の負担を減らす工夫をしておきます。たとえば、貼る場所を決め、題の付け方を決めます。「日付_相手の会社_会議」のような名前にしておけば、あとで探せます。貼ったあとの要約は、AIに頼みます。「この議事録から、決まったこと、次にやること、期限を、3つの表にして」と頼めば、数十秒で整います。手で貼る手間と、AIにまとめさせる手間を組み合わせると、自動化しなくても、十分に楽になります。

議事録を残したあとに、使う場面を決める

議事録は、残しただけでは、役に立ちません。次の会議の前に読み返す、お客様への連絡の材料にする、社員への引き継ぎに使う。使う場面を先に決めておくと、残し方も決まります。たとえば、次の会議の前に読むなら、決まったことと宿題が、冒頭にあれば十分です。使う場面から逆算して、AIへの頼み方も変えていきましょう。

今から始める社長へ

自動化に憧れて、準備ばかりが長引くより、今動く形で、まず始めることを勧めます。手で貼る運用でも、議事録を残す習慣は、十分に価値があります。その習慣を作ってから、自動化の実験を並行して進めてみてください。