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場面6「AIに任せる範囲を、決めていくとき」 6/36本目

商談でAIの実演をする日にAIが不調だった時の備えと切り抜け方

商談の場で、AIの実演を見せることになった。準備もしたし、前日まで動いていた。ところが、その日に限ってAIの調子が悪い。そんな場面を想像すると、冷や汗が出ます。僕は2026年の6月に、実際に経験しました。この記事では、何が起きたかと、今から始める社長が、AIの実演や商談で慌てないための備えを書きます。

データベースが2つに分かれていた社長との打ち合わせ

この日の打ち合わせの相手は、見込み客の社長でした。その会社では、顧客のデータベースが2つに分かれていて、一元的に管理できていませんでした。そこで僕は、アンチグラビティやクロードコードからゴーハイレベルにつないで、データを取り出したり、追加したりする様子を見せることにしました。そのときの説明は、こうです。「アンチグラビティでもクロードコードでも接続して見に行ける」

つまり、AIの道具からつなげば、別々に分かれたデータを、1か所から見に行ける、という実演でした。

その日は、Claudeが不調だった

ところが、その日は、クロードの調子が悪い日でした。途中から、動きが遅くなり、賢さも落ちたように感じられました。実演の最中に、AIが思ったように動かない。見せる側としては、苦しい時間です。

ただ、この経験で分かったのは、AIの調子は日によって違う、ということです。前日まで問題なく動いていても、当日に調子が変わることがあります。人前で使うなら、その前提で備える必要があります。

AIが不調に感じられるときの、よくある原因

AIが遅い、答えが的外れだと感じたときは、いくつかの原因が考えられます。1つは、利用が集中している時間帯で、反応が遅くなっている場合。もう1つは、会話が長くなりすぎて、AIが前の内容を整理しきれなくなっている場合です。後者の場合は、新しい会話を開いて、必要な情報だけを貼り直すと、動きが戻ることがあります。前者の場合は、時間をおくか、別のAIに切り替えるのが現実的です。実演の最中に原因を調べる余裕はありません。だから、前もって、どちらの対処も、すぐ使える形にしておくのが大切です。

今日から真似できる手順

商談や社内の発表でAIを見せるときの備えを、4つにまとめました。

1. 本番の前日と当日の朝に、同じ操作を試す

実演で使う操作を、前日と、当日の朝に、もう一度通しで試します。当日の朝に動いていれば、少なくとも、その時点の調子は確認できます。調子が悪ければ、本番までに、別の方法へ切り替える時間が取れます。

2. 予備の方法を、用意しておく

メインのAIが不調でも、別のAIや、事前に撮った画面の記録で、同じ内容を見せられるようにします。動画や、画面の写真を1セット、用意しておけば、実演が止まっても、説明は続けられます。

3. 動かないときの話し方を、決めておく

AIが遅いとき、「AIは日によって調子が変わるんです」と、自分の言葉で説明できるようにしておきます。隠さずに、状況を説明したほうが、かえって信頼されます。

4. 実演の目的を、短くしておく

見せるのは、いちばん伝えたい1つの動きだけにします。あれもこれも見せようとすると、不調が影響する場面が増えます。短く、焦点を絞った実演が、安全です。

気をつけること

実演では、お客様の本当のデータを映さないようにします。見せるデータは、試験用のものにするか、個人の情報を伏せた物を使います。また、見込み客の社長に見せる内容でも、他のお客様の情報が映り込まないよう、画面の中身を事前に確認してください。

不調な日にも、見せられるものを持っておく

AIは便利ですが、毎回完璧に動く道具ではありません。実演で見せたいのは、AIの調子の良さではなく、課題が解決できるという筋道のはずです。動かない場面でも、筋道を説明できれば、相手には十分に伝わります。事前に撮った画面の記録は、不調な日の命綱になります。

実演のあとに、振り返りを残す

実演が終わったら、その日のうちに、5分だけ振り返りを書きます。うまくいった動き、止まった場面、相手の反応を、3行ずつ書き出します。次の商談で、同じ場面が来たときに、読み返せば、準備の精度が上がります。AIの調子が悪かった日の記録は、特に貴重です。どんなときに、どんな備えが役に立ったかが、具体的に残ります。

実演を見せる相手に、先に伝えておくこと

実演の冒頭で、「AIは日によって調子が変わるので、今日の動きは、その一例として見てください」と一言添えておきます。この一言があるだけで、動きが多少遅くても、相手は落ち着いて見てくれます。実演の本題は、AIの速さではなく、課題の解決の筋道です。そこに焦点を合わせた言い方を、準備しておきましょう。

今から始める社長へ

AIの実演は、準備していても、うまくいかないことがあります。前日と当日に試し、予備を用意し、話し方を決めておく。この3つがあれば、慌てずに済みます。まずは、次の商談で見せたい動きを1つだけ決めて、その画面の記録を撮っておいてください。