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場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 9/31本目

AIが「ファイルにアクセスできません」と断り続けても、思い込みかもしれない

AIに「パソコンの中のファイルを読んで」と頼むと、「ローカルのファイルにはアクセスできません」と答えが返ってくる。そう言われたら、多くの人は、そこで諦めてしまいます。僕も2026年の2月から3月にかけて、同じ答えを何度も聞きました。この記事では、その答えが正しかったのかと、今から始める社長がAIの「できません」を確かめる手順を書きます。

「アクセスできない」と、断り続けられた

当時、僕は監査役のAI、つまりクロードに、パソコンの中の知識の置き場所を、直接読み書きさせたいと考えていました。ところが、そのAIは、「ローカルファイルにはアクセスできない」と、断り続けたのです。そこで、2月から3月にかけては、エングロクなどを使った遠回りの方法で、なんとか対応していました。その間、エラーは断続的に出ていました。

本当は、最初から権限があった

4月になって、ファイルシステムのMCPという接続が安定しました。そして、監査役のAIが、知識の置き場所を、直接読み書きできることが確かめられました。そこで分かったことが、これです。「技術的制約ではなく思い込みだった」

権限は、最初からあったのです。できないと言い続けていたのは、AIの思い込みでした。その後、AIはノーション、ジーメール、ドライブ、パソコンの中を、横断して作業できる体制になりました。

AIが断る理由は、いくつかの種類に分かれる

AIが「できません」と言う理由は、大きく3つに分けられます。1つ目は、本当に仕組み上できない場合。2つ目は、設定や許可が足りていない場合。3つ目は、実際にはできるのに、AIがそう思い込んでいる場合です。

見た目の言葉は、どれも「できません」です。ところが、中身は全く違います。1つ目なら、別の方法を探すしかありません。2つ目なら、設定を足せば進みます。3つ目なら、条件を整えて頼み直せば、動くことがあります。僕の場合は、少なくとも一部は、3つ目に近いものでした。断られた理由の種類を見分けられるかどうかで、その後の動き方が大きく変わります。

今日から真似できる手順

画面や設定の名前は変わります。AIの「できません」を確かめる考え方を、4つにまとめました。

1. 「できません」の理由を聞く

AIが断ったら、「なぜできないのか、理由を具体的に教えて」と聞き返します。理由が、仕組み上の制限なのか、設定が足りないだけなのか、AIの思い込みなのかを、切り分けます。

2. 公式の説明で、自分でも確かめる

AIの答えだけで判断せず、その機能の公式の説明を探して読みます。AIに「その機能の公式の説明は、どこにありますか」と聞くのも有効です。説明にできると書かれていれば、AIの断りは、思い込みの可能性があります。

3. 別のAIや別の道具でも、試してみる

同じ内容を、別のAIにも聞きます。別のAIで実現できるなら、できないのは道具の仕組みではなく、設定や知識の違いかもしれません。

4. 小さく試して、結果を記録する

大きな作業の前に、小さなファイル1つで試します。読めたか、書けたか、エラーは何だったかを、メモに残します。記録があれば、数週間後に再挑戦するときの手がかりになります。

気をつけること

AIにファイルを読み書きさせる設定は、便利な反面、間違いも起きます。最初は、大事なファイルとは別の、試験用のフォルダだけを見せるようにします。読み書きの範囲を、少しずつ広げていくのが安全です。また、元のファイルの控えを、先に取っておくと安心です。

断られたら、一度は疑ってみる

AIの「できません」は、本当にできないときもあれば、そうでないときもあります。僕のように、2〜3か月、遠回りをしてから気づくこともあります。もし、どうしてもやりたいことがあるなら、断られたあとに、もう一段階、確かめてみてください。確かめる手間は小さく、うまくいったときの変化は大きいものです。

「できる」と分かったあとの使い道

AIがパソコンの中の知識を読み書きできるようになると、仕事の進め方が変わります。資料をいちいち貼り付けなくても、AIが置き場所を見に行って、必要な内容を読んでくれます。作った文書も、AIが直接、決まった場所に保存してくれます。人が間に入ってコピーする手間が減るので、受け渡しのミスも少なくなります。ただし、AIに見せる範囲は、広げすぎないことです。仕事に必要なフォルダだけを見せて、個人の書類や、お客様の情報は、別の場所に分けておきます。

再挑戦の時期を、決めておく

一度できなかったことは、時間がたつと、できるようになっていることがあります。そこで、「断られた」「できなかった」と思った作業は、メモに残して、1か月ごとに見直します。前回の記録と並べて、もう一度だけ試すのです。AIの機能は、数週間で大きく変わることがあります。再挑戦の日を決めておけば、見逃しが減ります。

今から始める社長へ

AIが「できません」と言っても、それが最終の答えとは限りません。理由を聞き、公式の説明を探し、小さく試す。この3つを、習慣にしてみてください。思い込みを1つ外せると、使えるAIの範囲が、一気に広がります。