場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 9/40本目
AIが利用上限で止まる日のために、予備のAIと受け渡しの形を用意する
教科書でいうと → 第15章「寝ている間に働くAI工場」(解説動画つき)
AIを仕事で使い込んでいると、ある日突然、「利用の上限に達しました」と表示されます。その日の作業が、そこで止まってしまう。社長なら、避けたい場面です。僕も2026年の3月に、この状況を何度も経験しました。この記事では、そのとき予備のAIを使ってどう回したかと、今から始める社長が止まらない運用を作るための手順を書きます。
利用の上限に引っかかると、点検が止まった
当時、クロードには、作った物を点検する役を任せていました。ところが、クロードが利用の上限に引っかかると、点検できなくなります。点検が止まれば、その先の作業も止まります。
そこで、マヌスを予備に回しました。マヌスは、YouTubeのサムネイルづくりと、広く調べる調査に強いので、役割を分けて使っていました。予備を用意しておけば、クロードが止まった日も、仕事を止めずに済みます。
AIの間の受け渡しは、手でやるしかなかった
ただし、全部が自動でつながっていたわけではありません。このときは、まだ完全には自動化できていませんでした。AIから別のAIへ、結果を渡す作業は、僕が手作業でコピーして渡していました。僕はこれを、「伝書鳩」と呼んでいました。さらに、ノーションの共有ホワイトボードを置いて、AIたちが同じ情報を見られるようにしました。
手作業は面倒です。それでも、止まるよりは、はるかにましでした。完全な自動化を待たなくても、手でつなぐ形で、仕事は回せます。
上限は、使い方の目安にもなる
利用の上限は、不便なものですが、使い方を見直すきっかけにもなります。上限に何度も届くなら、同じAIに頼みすぎているのかもしれません。軽い作業は別のAIに回す、細かい質問をまとめて1回で聞く、といった工夫ができます。
上限に達したときは、そこまでの作業の途中経過を、残します。どこまで終わったか、次に何をするか。それを共有の場所に書いておけば、予備のAIに、すぐ続きを頼めます。止まった事実だけを見ると、困った話ですが、止まらないための準備を整える材料でもあります。
今日から真似できる手順
使うAIの種類は、時期によって変わります。止まらない運用の考え方を、4つにまとめました。
1. 主役のAIが止まったときの、予備を決めておく
普段使っているAIが使えないときに、代わりに頼むAIを、先に決めておきます。上限に達してから探すと、その間も仕事が止まります。予備のAIにも、日ごろから、少しだけ仕事を頼んでおくと、使い方に慣れておけます。
2. AIごとの得意を書き出す
どのAIが何に強いかを、1枚のメモにまとめます。僕が使っていたマヌスは、サムネイルと調査が強みでした。得意が分かっていれば、予備に回すときも、迷わず仕事を割り振れます。
3. 受け渡しの形を、決めておく
AIからAIへ渡す内容は、「何をしたか」「結果」「次にしてほしいこと」の3点を、毎回同じ順番で書く形にします。手でコピーして渡すときも、この形ならミスが減ります。
4. 共有の場所を1つ置く
共有のメモや表を、1か所に作って、どのAIにも同じ場所を見せます。僕はノーションの共有ホワイトボードを使いました。場所が決まっていれば、AIが入れ替わっても、状況がすぐ伝わります。
気をつけること
予備のAIにも、お客様の情報を渡すことになります。どの情報を、どのAIに渡してよいか、先に決めておきましょう。また、手作業で受け渡すときは、コピーのし忘れや、古い版を渡す間違いが起きます。受け渡したあとに、「何を渡したか」を共有の場所へ一言残しておくと、あとから確認できます。
完全な自動化を、待たない
自動化は、うまくいけば楽になります。でも、つなぐ仕組みを作るには時間がかかり、その間にも仕事は進みます。手作業でも、決まった形で回せるなら、それで十分に前へ進めます。そのうえで、手作業が負担になったところから、少しずつ自動に置き換えていけば、無理がありません。
手作業の受け渡しを、少しだけ楽にする
手作業のコピーが続くと、面倒に感じます。そのときは、コピーする文章の形を、毎回同じにします。冒頭に「依頼」、次に「これまでの結果」、最後に「ほしい答えの形」と書く、といった型です。型があれば、貼る側のAIも、読む側の自分も、迷いません。さらに、よく使う型は、メモ帳に登録して、すぐ呼び出せるようにしておきます。小さな工夫ですが、受け渡しの回数が多い日ほど、効いてきます。
止まった日の連絡も、決めておく
AIが止まったとき、社内の人がどう動けばよいかも、決めておくと安心です。「上限に達したら、予備のAIへ切り替える」「それでも進まないときは、社長に一言知らせる」。この2行を、共有の場所に書いておきます。AIの調子に、人が振り回されない形を作っておくことが、運用を安定させる近道です。
今から始める社長へ
AIの上限は、いつか来る前提で考えておくと、慌てなくて済みます。まずは、予備になるAIを1つ決め、得意なことを1行メモしておきます。それだけでも、上限の日の作業は、大きく変わります。