ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面2「AIへの頼み方・聞き方で迷うとき」 14/49本目

AIが作れない設定は、AIに手順を聞いて自分が画面を操作する

AIにお願いすれば、設定まで全部やってくれる。そう期待して任せてみたら、途中で「それはできません」と分かる。AIを仕事に入れ始めた社長なら、一度は経験する場面です。僕も2026年の3月に、ステップメールを組むワークフローの設定で、そうなりました。この記事では、そのとき方針をどう切り替えたかと、今から始める社長がAIの助言を受けながら自分で操作するための手順を書きます。

読者への特典のステップメールを、急いで組む必要があった

当時、Kindleの本のキャンペーンに合わせて、読者特典のステップメールを配信する流れを作る必要がありました。ステップメールとは、申し込みの日から数日おきに、決まったメールを順番に送る仕組みです。ゴーハイレベルでは、この流れを、ワークフローという機能で作ります。

僕は、1体目のAIに、MCPという接続の仕組みを使って、ワークフローを作ってもらおうとしました。ところが、1体目のAIは、MCPで作ろうと進めてしまいました。そして、分かったのは、こういうことです。「MCP接続してもワークフローの設定はできません」

AIは「何をするか」を言わずに走ってしまう

このとき、もう一つ気づいたことがあります。1体目のAIは、「何をするか」を先に言わずに、作業へ走る傾向がある、ということです。できないことでも、まず手を動かしてしまう。そのため、途中まで進んでから、行き止まりに気づきます。

そこで、方針を切り替えました。1体目のAIには、手順を助言してもらう。実際に画面を操作するのは、僕自身にする。そして、自分でゆっくり画面を操作しました。AIが作れないなら、AIに作らせるのをやめ、AIの知識だけを借りる。それが、このときの結論でした。

「できない」と分かるまでの時間を、短くするには

今回の件で惜しかったのは、できないと分かるまでに、手を動かす時間が入ったことです。AIに作業を頼む前に、「この方法で、本当に作れるのか」を確かめる質問を挟めば、その時間は短くなります。質問は短くて構いません。「MCPで、この設定は作れますか」「作れない場合は、別の方法を教えてください」の2つです。AIが「作れます」と答えても、安心はできません。公式の説明で裏付けを探すか、小さく試して確かめます。確認の手間は数分ですが、行き止まりまで進んでから戻るより、ずっと小さな損で済みます。

今日から真似できる手順

画面の名前は道具によって違います。AIに助言をもらって、人が操作するときの進め方を、4つにまとめました。

1. 先に「何をするか」を言葉にしてもらう

AIに作業を頼む前に、「どんな順番で、何を設定するのか」を、箇条書きで出してもらいます。この段階で、AIが「できない」ことを前提にしていないかが、見えてきます。手を動かし始める前の確認が、行き止まりを減らします。

2. 設定の画面を、自分で開く

AIが助言してくれた手順を見ながら、自分で画面を開きます。一度に全部を進めず、1つの手順ごとに、画面の写真を撮ってAIに見せます。「この画面で合っているか」を、確認しながら進みます。

3. ゆっくり進める

人が操作するときは、速さを求めません。1つ設定したら、画面に表示された内容を、声に出して読むくらいの速さで確認します。急ぐと、必要な欄を飛ばしてしまいます。

4. 最後に、試しに1通流して確かめる

ステップメールのような仕組みは、設定が終わったら、自分宛てに1通だけ流して確かめます。本番のお客様に送る前に、中身と届く順番を、自分の目で確認します。

気をつけること

お客様に実際に送られる設定は、確認不足のまま有効にしてはいけません。有効にする前に、送る相手、送る回数、送る時間を、もう一度見直します。また、AIの助言は、道具の画面が変わったあとの情報で、古いことがあります。画面と食い違ったら、画面の表示を優先して、AIに聞き直します。

役割を分けると、無理が減る

AIが得意なのは、手順を整理して助言することです。人が得意なのは、画面を見て、責任を持って確定することです。この2つを分けると、AIに無理をさせずに済みます。全部をAIに任せるか、全部を自分でやるかの二択にせず、間を取る。それが、現実的な進め方だと思います。

画面を操作したコツを、手順書に変える

自分でゆっくり画面を操作して、うまくいった設定は、そのまま手順書になります。AIに助言してもらった内容と、実際に押したボタンの順番を、画面の写真と一緒に残します。次に同じ設定をするときは、その手順書を見ながら進められます。社員に任せるときにも、使えます。AIの助言を受けながら自分で操作した経験は、人に教えるための、いちばん確かな材料になります。

今から始める社長へ

AIが「できません」と言ったとき、それは行き止まりではなく、役割を分け直すきっかけです。AIに手順を聞き、自分で操作する。この形でも、仕事は十分に進みます。次にAIに任せたい作業が出てきたら、まず「何をするか」を、AIに先に言わせてみてください。