ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 7/31本目

AIが「代わりにやります」と言ったら、その機能が相手にあるか先に確かめる

AIが「代わりにやります」と言ってくれると、つい任せたくなります。ところが、任せた先で、時間だけを使って、実はできなかったと分かる。そんな経験は、AIを使う人なら一度はあるはずです。僕も2026年の2月に、約1時間半をかけた作業が、無駄だったと分かる場面に出会いました。この記事では、何が起きたかと、今から始める社長が、AIの「やります」に乗る前に確かめる手順を書きます。

「代わりにやります」に任せたら、1時間半が過ぎた

当時の僕は、3つのAIを、三位一体でつなぎたいと考えていました。1体目のAI、マヌス、クロードです。ところが、マヌスとだけは、つながっていませんでした。そこで、1体目のAIが「代わりにやります」と言うので、接続を任せました。

作業が始まると、エヌエイトエヌやグーグルの鍵の設定を、1時間半もやることになりました。言われるままに秘密の鍵を貼るなど、試行錯誤をして、設定は通りました。ところが、マヌスに聞いてみると、その機能は無い、と言われたのです。ここで出た僕の言葉は、こうです。「俺の2時間返せつって説教してて」

何が分かったか

分かったのは、AIは「できる」と思い込んだまま、作業を進めてしまうことがある、ということです。やる前に、相手の側にその機能があるのかを、確かめるべきでした。設定の画面が通ったことと、目的が達成されたことは、別の話です。途中の手順がうまくいっても、最終的に使える状態になっているかは、最後まで分かりません。

設定が通ったのに、目的は果たせなかった

この出来事で、いちばん悔しかったのは、設定自体は通っていたことです。画面では、鍵を入れて、接続の設定も済んでいる。見た目には、うまくいったように見えます。でも、肝心の相手側に、受ける機能が無かったので、最終的には使えませんでした。

道具の設定は、片方だけが整っても、もう片方が受け取れなければ、意味がありません。つなぐ作業では、送る側と受ける側の、両方の条件を確認する必要があります。AIは、目の前の画面を進めることは得意ですが、反対側の事情までは、確かめないまま進むことがあります。そこを補うのが、社長の側の仕事だと思っています。

今日から真似できる手順

画面や道具の名前は変わりますが、「任せる前に確かめる」考え方は、どの場面でも使えます。

1. つなぎたい相手に、先に聞く

接続する2つの道具のうち、受ける側の道具のAIや説明書に、先に聞きます。「この道具は、外から接続を受けて、データを渡せるか」と、一言で確認します。この確認は、数分で終わります。

2. AIの「できます」に、根拠を求める

AIが「やります」と言ったら、「それができる根拠は、どこに書いてあるか」と聞き返します。公式の説明の場所や、画面の名前が示されれば、安心して進められます。答えが曖昧なら、まだ任せる段階ではありません。

3. 作業に、時間の上限を決める

「30分やって進まなければ、いったん止めて相談する」のように、先に上限を決めます。僕は1時間半を使いましたが、上限があれば、もっと早く立ち止まれたはずです。

4. 終わったら、目的が達成されたかを、実際に動かして確かめる

設定が通ったら、実際にデータを1件だけ送ってみるなど、目的の動きを試します。画面の「成功」の表示だけで、終わりにしません。

気をつけること

鍵や合言葉は、AIに言われるままに貼ると、意図しない所に保存されることがあります。貼る前に、「この鍵は、どこに保存され、何に使われるのか」を聞いておきます。また、AIに作業を任せているときも、時々画面をのぞいて、予定外の方向へ進んでいないかを見ておきましょう。

任せる前の質問を、習慣にする

AIは、頼まれたことに対して、できるかどうかを十分に確かめないまま、「やります」と答えることがあります。それは、AIが悪いというより、そういう性質の道具だと考えたほうが、うまく付き合えます。任せる前の質問を、決まった型にしておくと、毎回の判断が楽になります。できる根拠はあるか。時間の上限は何分か。終わったと言える状態は何か。この3つを、毎回聞きます。

途中でやめる勇気

時間を使った作業ほど、途中でやめにくくなります。1時間かけたから、もう少しで終わるはず、と考えてしまうからです。けれど、過ぎた時間は、取り戻せません。大事なのは、これから使う時間を、どう使うかです。「ここまでに分かったこと」を整理して、やめる判断をする。それは、失敗ではなく、損を小さくする判断です。立ち止まったら、AIに「ここまでの作業を整理して、残っている選択肢を教えて」と頼むと、次の一手が見つかります。

今から始める社長へ

AIに任せることは、仕事を速くしてくれる反面、無駄な時間を生むこともあります。任せる前の数分の確認が、その無駄を大きく減らします。僕の1時間半は、その数分を省いた代金でした。同じ思いをしないよう、最初の質問だけは、習慣にしてください。