ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面5「複数のAIや仕組みで、回していくとき」 5/40本目

作れるのが自分だけだと広がらない——仕事を分担できる形にする手順

自分にしか分からない仕組みを作ってしまい、仕事を増やそうにも、増やせない。AIを使いこなしている社長ほど、この壁にぶつかりやすいものです。僕も2025年の12月に、同じ状況になりました。この記事では、何が起きて、どう分担したかと、今から始める社長が仕事を分けるための手順を書きます。

日本でほぼない提案ができたのに

その頃の僕は、ゴーハイレベルの講座を始めたところでした。お客様への提案では、デザインは協力者に頼み、問い合わせが来たあとの振り分けまで自動化したサイトを出しました。問い合わせから先を全部自動で組める、という点が、他社との違いです。そのときの言葉は、こうです。「多分日本でほぼない」

デザインは流用して、自動化の部分で差をつける。この考え方で、お客様に価値を出せる手応えがありました。ただ、そこで一つの問題が見えていました。

理解しているのが、自分だけだった

構築の中身を理解しているのが、僕一人だったのです。一人だけの体制では、お客様が増えても、作れる数に限りがあります。僕が止まれば、全部が止まります。そこで、体制を変えました。パートナーと、講座の受講生に分担する形にしたのです。その結果、自動化まで含めて売れる体制に近づきました。

大事なのは、自分の腕を磨き続けることではありません。自分が持っている作り方を、他の人が使える形にして渡すことです。講座を始めた意味も、ここにありました。

作れる人が増えると、提案の中身も変わる

仕事を分担できる体制になると、変わるのは作れる数だけではありません。お客様への提案も、変わります。一人で作る前提のときは、手が回る範囲で提案を絞ることになります。分担できる体制なら、自動化まで含めた、広い提案ができます。

また、人に渡すために手順を整えると、自分自身の理解も深まります。自分では当たり前にやっていた作業を、言葉にして説明しようとすると、曖昧だった部分が見えてきます。その曖昧な部分を直すこと自体が、仕組みの質を上げる作業になります。

今日から真似できる手順

自社の仕事を、人に分ける考え方を、4つの手順にしました。

1. 自分にしかできない作業を、洗い出す

1週間の自分の仕事を書き出して、「自分以外には頼めない」と思っているものに印を付けます。印が付いた作業の多くは、実は説明していないだけで、頼める作業です。本当に自分にしかできないものは、意外に少ないものです。

2. 流用できる部分と、差をつける部分を分ける

すべてを一から作ると、分担しにくくなります。デザインや文章の枠は、流用できる型にして、差をつける部分だけを、自分で作ります。流用できる部分を人に渡せば、自分の時間が、差をつける部分に集中できます。

3. 作り方を、画面の写真つきの手順書にする

自分が作るところを、画面を写しながら、手順にして残します。動画で録画しておくのも、有効です。手順書があれば、受け取った人は、自分のペースで同じ物を作れます。

4. 小さい仕事から、1つ渡す

最初から大きい仕事を渡さず、小さい仕事を1つ渡します。戻ってきた成果を確かめて、直す点を手順書に反映します。これを数回繰り返すと、任せられる範囲が、少しずつ広がります。

気をつけること

人に渡すと、品質のばらつきが出ます。渡す前に「完成の基準」を言葉にしておきましょう。たとえば、文字の大きさ、写真の枚数、確認する項目などです。また、お客様の情報を扱う作業は、誰に見せるかを慎重に決めます。分担することは、責任を手放すことではなく、最終確認を自分が持ち続けることでもあります。

受講生やパートナーに頼むときの伝え方

分担を頼むときは、「何を作ってほしいか」より先に、「どこまでできたら完成か」を伝えます。完成の姿が伝わっていれば、途中の作り方は、相手が自分で考えられます。うまくいった例を1つ見せておくのも効果的です。見本があると、相手は迷わずに動けます。

そして、戻ってきた物に対しては、まず良かった点を伝え、そのうえで直してほしい点を具体的に伝えます。分担がうまく続く体制は、こうした小さなやり取りの積み重ねで育ちます。

分担を始める前に、決めておくこと

人に仕事を分けるときは、役割と報酬の考え方を、先に話し合っておきます。誰が何を作り、誰がお客様とやり取りし、問題が起きたら誰が対応するのか。ここが曖昧だと、あとで気まずくなります。特にお客様への責任は、最終的に誰が持つのかを、はっきりさせておきます。口約束で始めず、簡単な文書にしておくと、お互いに安心して続けられます。

今から始める社長へ

仕組みを作れるようになったら、次の課題は、それを人に渡すことです。僕も、分担する体制に変えることで、売れる範囲を広げられました。今日できる最初の一歩は、自分にしかできないと思っている作業を、1つだけ書き出すことです。そこから、渡せる形が見えてきます。