場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 31/31本目
前回できたことが今日もできるとは限らない。AIは「実行」と「点検」を何度も回す
教科書でいうと → 第6章「調べ物でだまされない」(解説動画つき)
昨日はうまくいったのに、今日は同じ頼み方で、でたらめな結果が返ってきた。そんな経験はありませんか。この記事では、2026年4月6日に僕が切り替えた、AIの波と付き合う考え方を、社長向けにまとめます。
手順どおりに組んでも、でたらめになる
2026年4月6日の時点で、僕は、手順どおりにワークフローを組んでも、AIがでたらめにやる場面に悩んでいました。それを注意し直す手間が、だんだん重くなっていたのです。前回できたことが、今日もできるとは限りません。精度が、安定しませんでした。
AIには調子の波がある
僕は、AIには調子の波があると感じました。そして、AIを2つ以上使わないと危ないとも感じました。1つのAIだけに頼ると、そのAIの調子が悪い日に、仕事が止まります。あるいは、間違いに気づかないまま進みます。
実行と点検をくり返す
そこで僕は、考え方を切り替えました。1つのAIが実行し、別のAIが点検する。このループを回して、回数を重ねて精度を上げる、という考え方です。最初から完璧を期待しないことが、ポイントです。実行と点検を何度も回せば、人が最後にチェックできる水準まで上がる、と理解しました。
期待値を変えると、楽になる
「一度で正しく動くはず」と思うと、間違いのたびに腹が立ちます。「何度か回して整える」と決めておくと、間違いは、ループの途中の1回になります。気持ちの面でも、この切り替えは大きな効果がありました。
自分の仕事で試す手順
ここからは、社長が自分の仕事で試す手順の提案です。
1. 一連の作業を1つ選ぶ
毎週くり返す作業を1つ選びます。たとえば、お知らせ文の作成や、表の整理です。
2. 実行役を決める
1つ目のAIに、作業を実行させます。出来上がった物は、そのまま使わず、点検に回します。
3. 点検役に見せる
2つ目のAIに、出来上がった物と、元の依頼文を渡します。「依頼のとおりになっているか、違う所を挙げてください」と頼みます。
4. 指摘を戻して直す
点検の指摘を、1つ目のAIに戻して直させます。これを、指摘がなくなるまで、2〜3回くり返します。
点検役には、別の道具を使う
同じAIに点検させると、同じ見落としをしがちです。点検役は、別の種類のAIにするのがおすすめです。人間でも、書いた本人より、他の人のほうが、間違いを見つけやすいのと同じです。
回数の上限を決める
くり返しが終わらなくなる場合があります。回数の上限を、3回などと決めておき、それでも直らなければ、人が見ます。際限なく回すと、時間も費用も、無駄になります。
よくある疑問:全部、人が見たほうが早くないですか
件数が少ないうちは、人が見たほうが早いです。ただ、くり返す作業が増えると、人の目だけでは追いつきません。AIに1次点検をさせ、人は最後の確認だけにすると、人の時間を、判断が必要な部分に集められます。
点検の記録を残す
点検でどんな間違いが多かったかを、メモに残します。同じ間違いが続くなら、最初の依頼文に、その注意を足します。こうして依頼文が育つと、1回目の出来が、少しずつ上がります。
点検役への依頼文の例
点検役のAIには、「次の物が、元の依頼どおりになっているかを、違う点だけ箇条書きで挙げてください」と頼みます。「良い点」は求めません。違う点だけを挙げてもらうと、見るべき所が絞れます。
点検の基準を、先に決める
何をもって合格とするかを、先に決めておきます。「数字が元の表と一致」「禁止の言葉が入っていない」のように、確かめられる基準にします。基準があいまいだと、点検役のAIも、判断がぶれます。
調子が悪い日の見分け方
AIの調子が悪い日は、同じ依頼なのに、文章の質が落ちたり、指示を無視したりします。そんな日は、無理に進めず、別のAIに切り替えるか、翌日に回します。調子の波を知っておくと、焦らずに済みます。
人が見る場所を、残しておく
ループを回しても、最後の確認は人が行います。お客様に出す物や、お金に関わる物は、特に慎重に見ます。人が見る場所を、先に決めておくのがおすすめです。
点検の結果を、数字にする
何回の点検で合格したかを、数えておきます。「平均2回で合格」のように数字にすると、仕組みの出来が見えます。回数が増えている作業は、最初の依頼文を見直す合図です。
並行して試す
新しい作業は、人が手で行う方法と、AIの実行と点検の方法を、並行して数回試します。結果を見比べると、どこまで任せられるかが分かります。急がず、数字を見て、広げる範囲を決めます。
気をつけること
AIの波は、使うAIや時期によって違います。僕の感じ方は、2026年4月時点のものです。お客様に出す物は、AIの点検が通っても、最後は人の目で確かめてください。
今から始める社長へ
今週の作業を1つ選んで、実行役と点検役の2つのAIに分けてみてください。うまくいかない日があっても、ループの途中の1回と考えれば、落ち着いて続けられます。