ニタ|ひとり社長の軽トラDX

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場面1「AIの道具を入れて、使い始めるとき」 21/27本目

ChatGPT止まりの経営者には、いきなり上級の道具を渡さない。段を1つずつ上がる

AIの道具は、毎月のように新しいものが出てきます。「一番すごい道具を使いたい」と思うのは、自然なことです。でも、いきなり上級の道具から入ると、つまずいて、そのまま嫌になってしまうことがあります。この記事では、僕が2026年の4月から5月にかけて、経営者に勧めた入り方を、社長向けにまとめます。

上級の道具を使いたがる社長

2026年の4月13日、ある経営者が、Antigravityを使いたがりました。でも、その方はまだ、ChatGPTを使っている段階でした。上級の道具を渡すのは、まだ難しいと僕は感じました。そこで、Manusを勧めました。移動中の説明だけで、翌日には、ホームページや企画書を、自分で作れるようになっていました。僕の言葉でいえば「初級からいきなり上級に行くとスポーツでね」、怪我をする、ということです。

失敗しにくい入り方の順番

翌日の4月14日には、経営者向けの入り方を整理しました。まず、Googleの業務の道具と、GeminiやChatGPTから始めます。次に、Manusに進み、その次にAntigravityへ進む、という段階です。背景には、社内でAIの前に、デジタル化が進んでいない会社が多い、という現実がありました。一番すごい道具より、みんながつまずきにくい道具から始めたほうが、進みます。

開発したくないなら、アプリから入る

さらに5月11日には、社長からAntigravityを教えてほしいと頼まれたとき、必要以上だと判断して、Manusを勧めました。開発したいという要望がなければ、CodexやClaudeのアプリから入るほうがよい、と気づきました。アプリから入って、物足りなくなったら上に上がっていく。そのほうが、楽しみながら進められます。

自分の会社で試す手順

1. いま使っている道具を、確認する

まず、自分や社員が、いま使っているAIの道具を書き出します。ChatGPTだけなのか、すでに複数使っているのかを確かめます。

2. 一段だけ、上の道具を選ぶ

いまの道具より、一段だけ上の道具を選びます。たとえば、文章を作る道具から、ホームページや資料まで作れる道具へ、という段差です。

3. 一つの仕事で、試す

選んだ道具で、1つの仕事だけを試します。たとえば、自社の案内ページを作る、という具合です。

4. 物足りなくなったら、次へ

「もっとこうしたい」と感じたときが、次の段へ上がる時期です。物足りなさが出てくるまでは、同じ段で十分です。

経営者が、まず身につけたいこと

道具の高度さより、経営者に必要なのは、AIに任せる感覚をつかむことです。聞いたら答えが返ってくる、頼んだら形になって返ってくる。この体験を、まず1つ持つことが大切です。その体験があれば、上の道具に進んだときも、戸惑いにくくなります。

社員に広げるときも、同じ順番

社員に導入するときも、同じ順番が使えます。最初は、全員が使いやすい道具で、小さな仕事から始めます。慣れてきた人から、上の段へ進みます。全員を、同じ速度で上げようとしないのが、続けるコツです。

よくある疑問:遠回りになりませんか

段を踏むと、一見遠回りに見えます。でも、いきなり上級に行って挫折すると、結局、最初からやり直しになります。僕が勧めた経営者は、翌日には成果を出していました。着実に進める入り方のほうが、結果として早く、遠くまで行けます。

経営者に、最初に頼む仕事

経営者に最初に使ってもらう仕事は、本人にとって身近で、成果が見えやすいものを選びます。たとえば、自社の案内ページの下書き、取引先への提案書の下書きなどです。自分の仕事で、すぐ形になる体験をすると、AIへの見方が変わります。説明を聞くだけより、1回触るほうが、ずっと理解が進みます。

説明は、移動中でも足りる

僕が経営者に説明したのは、移動中の時間でした。長い研修ではなく、要点だけを伝えて、あとは本人に触ってもらう。それだけで、翌日には成果が出ていました。短い説明でも、道具の選び方が合っていれば、人は動き出します。

段を上がる合図を、決めておく

次の段へ進む合図を、先に決めておくと、迷いません。たとえば「いまの道具で、1週間に3回以上、自分の仕事に使えている」を、上がる合図にします。合図が決まっていれば、焦って上がることも、いつまでも留まることも、避けられます。

気をつけること

どの段階の道具でも、お客様の個人情報や、社外に出せない情報を入れてよいかは、使う道具の決まりで確かめてください。また、上の段へ進むほど、できることが増える一方、間違いの影響も大きくなります。確認の手順も、あわせて増やしてください。

今から始める社長へ

道具選びで迷ったら、一段だけ上を選んでみてください。まずは、いま使っている道具を書き出して、その上の段を1つ決めるところから始められます。