場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 26/31本目
AIを優秀だと思い込んでチェックを省いたら、同じ動画が重複して公開された
教科書でいうと → 第6章「調べ物でだまされない」(解説動画つき)
AIが優秀だと感じると、いつの間にか、人の確認を省いてしまいます。でも、その油断が、思わぬ混乱を招くことがあります。この記事では、僕が2026年の3月に、チェックを省いた途端に起きた失敗と、その立て直し方を、社長向けにまとめます。
ノーチェックにした途端に、重複が起きた
2026年の3月24日、僕は、YouTubeの動画を、AIエージェントに公開させる仕事を回していました。AIが優秀だと思い込んで、チェックを省いていました。すると、同じ動画が重複して公開されたり、削除したはずの動画が残ったりしました。AIエージェントは、版の管理が苦手だったのです。どれが最新で、どれが古いのかを、うまく扱えませんでした。
慌てて直すほど、悪化した
重複に気づいて、慌てて直そうとしました。ところが、直すほどに、状況は悪化していきました。何時間も溶かして、「どこから間違っていたのか」が分からなくなったのです。原因の1つは、僕が使っていた記録の置き場、Obsidianがテキストベースで、版の管理ができない仕組みだったことでした。
「動くな」と止めて、点検役に見させた
立て直すとき、まず僕がしたのは、AIに「もうお前動くな」と止めることでした。そのうえで、点検役のAIに状況をチェックさせてから、手直しに入りました。さらに、版の管理は、NotionのようなAIが両方とも見られる場所に置くようにしました。作る側と点検する側が、同じ表を見て、どれが最新かを確認できるようにしたのです。
自分の仕事で試す手順
1. 問題が起きたら、まず止める
重複や間違いに気づいたら、慌てて直さず、AIの作業を止めます。動かし続けたまま直すと、状況がさらに複雑になります。
2. 現状を、点検役に調べさせる
別のAIに、いまどうなっているかを、事実だけ洗い出してもらいます。「何がいくつあって、どれが重複しているか」を表にします。
3. 直す順番を、人が決める
洗い出した表を見て、人が、直す順番を決めます。AIに任せっぱなしにせず、人が手順を決めると、悪化を防げます。
4. 版の管理を、見える場所に置く
どれが最新かを、AIも人も見られる表に書いておきます。更新するたびに、その表を直す決まりにします。
人のチェックは、省かない
この失敗で学んだのは、AIが優秀でも、チェックを省いてはいけないということです。とくに、公開や削除のように、後戻りしにくい作業は、人の確認を挟むのがおすすめです。確認する場所を、公開の直前の1か所に決めておけば、負担も小さくて済みます。
同じ失敗を、防ぐための仕組み
重複を防ぐために、公開する前に「すでに公開済みのものと同じではないか」を確かめる手順を入れます。一覧の表に、公開済みの題を残しておき、新しいものを出す前に、表と照らし合わせます。この確認は、AIにさせても構いませんが、結果は人が目で見て確かめてください。
よくある疑問:チェックを増やすと、遅くなりませんか
チェックは、増やしすぎると、確かに遅くなります。だからこそ、確認する場所を絞ります。公開の直前と、削除の直前の2か所だけ、人が見る。それ以外は、AIに任せる。僕が失敗で何時間も失ったことに比べれば、数分のチェックは、安い投資です。
失敗から作った、公開前の3つの確認
公開の前には、次の3つのことを確認する形にするのがおすすめです。1つ目は、同じ題のものが、すでに公開されていないかです。2つ目は、消すべきものが、残っていないかです。3つ目は、今回出すものの数が、予定と合っているかです。3つとも、表を見れば数十秒で分かります。確認の項目を短くしておくと、毎回続けられます。
混乱したときの、気持ちの持ち方
トラブルのさなかは、焦って、次々に手を打ちたくなります。でも、手を打つほど悪化することがある、というのが、僕が学んだことです。一度手を止めて、事実を並べる。それから、直す順番を決める。この落ち着きが、一番の近道でした。
版の管理表の、作り方の例
版の管理表は、難しく作る必要はありません。縦に作品の題、横に「公開日」「公開した場所」「最新かどうか」「削除済みか」の4つの欄を作ります。更新するたびに、この表を最初に直す。AIにも、作業の前に表を読ませる。これだけで、重複や削除漏れはかなり減らせます。
AIに任せる範囲を、段階で広げる
チェックを省く失敗を防ぐには、任せる範囲を、段階で広げるやり方がおすすめです。最初は、下書きまで。次に、人が確認してから公開。うまく回る期間が続いたら、確認の場所を減らす。いきなり全部を任せず、信頼できたところから広げていくのがおすすめです。
気をつけること
AIの作業を止めるときは、途中のデータが壊れないよう、止め方にも注意してください。使っている道具の止め方の案内を、事前に確認しておくのがおすすめです。また、公開済みのものを消すときは、消す前に控えを取り、元に戻せる状態にしておきます。
今から始める社長へ
AIが優秀に見えるときほど、チェックの場所を1つだけ残しておいてください。まずは、公開する前に人が見る、と決めるところから始められます。