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場面3「AIの答えを、信じる前に確かめたいとき」 19/31本目

「できない」と結論していたことが、見る場所を変えたらできた話

調べて「できない」と分かった。そう思って、諦めたことはありませんか。僕も、同じように結論を出していました。ところが、あとから、見る場所を間違えていただけだと分かりました。この記事では、2026年の9月に、AI電話で起きた出来事と、「できない」を確かめ直す手順を書きます。

「発信の口は無い」と結論していた

AIが電話をかける、発信型のAI電話の企画を進めていたときのことです。社内では、「この製品には、AIが電話をかける発信の口が無い」と結論していました。ところが、見直してみると、発信の口は、製品の基盤側に、ちゃんと実在していました。見る場所を1つ間違えていただけだったのです。僕は、そのときの驚きを、「発信の口は在った」という一言で残しています。

その後、2026年の9月7日から9日にかけて、電話回線を使って、日本語の実際の通話を4本、試しました。そのうち1本で、予約が成立しました。結論を疑わずにいたら、AI電話で予約が取れる、という成果には、たどり着けませんでした。

結論は、古くなる

ここで分かったのは、「できない」という結論も、見る場所や時期によって、変わるということです。道具は更新されますし、調べた場所が、本当の置き場ではなかったかもしれません。

今日から真似できる手順

特定の道具に頼らず、考え方を書きます。

1. 「できない」の根拠を、書き出す

できないと結論した理由を、1行で書き出します。「公式の説明に書いていなかった」「画面に項目がなかった」など、何を見て判断したのかを、はっきりさせます。

2. 別の場所を、探す

最初に見た場所以外に、情報が置かれていないかを探します。画面の項目だけでなく、開発者向けの資料、更新の履歴、問い合わせ窓口など、調べる場所は複数あります。

3. AIに、別の角度から聞く

AIに「この機能を実現する方法が、他にないか。画面の外側に、仕組みはないか」と聞きます。最初に聞いたときと、聞き方を変えると、違う答えが出ることがあります。

4. 小さく試して、確かめる

実在しそうだと分かったら、小さな試験で確かめます。僕も、いきなり本番に使わず、まず少数の通話を試して、動くことを確かめました。

できないと決める前に

「できない」と決めると、それ以降、誰も調べなくなります。決めることの影響は、大きいのです。だから、できないと結論するときは、「いつ、どこを見て、そう判断したか」を、日付つきで残しておきます。残しておけば、あとで道具が更新されたときや、新しい情報を見つけたときに、見直すきっかけになります。結論に、見直しの日付を付けておくのも、よい方法です。

実通話で、分かったこと

実際に電話を4本かけてみると、紙の上では分からなかったことが、いくつも見えてきます。声の聞き取りの具合、間の取り方、相手が話し始めるタイミング。こうしたことは、試さないと分かりません。1本ずつ、通話の記録を見直して、直す点をメモしていけば、次の1本が良くなります。1本で予約が成立した、という事実は、次に進む大きな自信になりました。

古い結論を、見直す日

社内の結論や、自分の思い込みは、時間がたつと、現実とずれていきます。僕は、「できない」と決めたことの一覧を、3か月に1度、見直すとよいと考えています。その間に、道具の更新があったかもしれませんし、新しい情報が出ているかもしれません。AIに、「この結論は、いまも正しいか、最新の情報で調べ直して」と頼めば、見直しの下調べを手伝ってくれます。

実通話の試験で、決めておくこと

AI電話を試すときは、かける相手、話す内容、止める条件を、先に決めておきます。相手は、事前に了解を取った人だけにします。話す内容は、短い予約の確認のような、小さなものから始めます。止める条件は、「聞き取りが続けて外れたら、すぐ切る」のように、はっきり決めておきます。

分からない時は、人に聞く

AIに調べさせても、「できる」「できない」が分からないときは、道具の提供元に、直接問い合わせます。質問は、「この機能は、どの画面や仕組みから使えますか」と、具体的に書きます。返事が来たら、日付と一緒に記録しておきます。社内の結論を決める、確かな根拠になります。

気をつけること

電話は、お客様や取引先に直接つながる手段です。試験のときは、自分の電話番号など、了解の取れた相手にだけかけてください。また、通話の録音や、AIが話す旨の伝え方は、ルールがあります。公式の決まりを確かめてから進めます。

今から始める社長へ

「できない」と諦める前に、見る場所を変えてみる。この一手間で、道が開けることがあります。諦めた結論は、日付つきで残しておいて、時々見直してください。まずは、以前に「できない」と決めたことを1つ思い出して、別の場所で調べ直してみましょう。